26日の東京株式相場は連騰。トランプ大統領による米国経済の押し上げ期待が高まる中、米企業決算も良好で米国株が最高値を更新し、投資家のリスク許容度が増した。銀行や証券、保険株など金融セクターが業種別上昇率上位を占有、東京エレクトロンなど半導体関連株の上げも目立った。

  TOPIXの午前終値は前日比23.43ポイント(1.5%)高の1545.01、日経平均株価は344円89銭(1.8%)高の1万9402円39銭。日経平均は13日以来、ほぼ2週間ぶりに投資家の短期売買コストである25日移動平均線を上回った。海外投資家が重視するドル建ての日経平均は170ドルを超え、ITバブルに沸いた2000年4月以来の水準に到達。

  三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジストは、「米景気は好調。FRBが利上げ姿勢の中、トランプ大統領が規制緩和などの景気刺激策を示し、米金利は上昇方向で、ドルが下がるリスクは少ない」と指摘。為替が1ドル=110円を超すレンジで安定推移するなら、「17年度は前の年に比べかなりの増益になる。日本株に再評価の余地がある」と言う。

東証内
東証内
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  トランプ大統領はパイプラインの建設推進や環境影響評価の規制緩和に続き、25日にはメキシコ国境への壁建設、米国への移民流入規制の強化に関する大統領令に署名。次々と公約実現へ動いている。

  ソシエテ・ジェネラル証券の会田卓司チーフエコノミストは、「規制緩和の話も出てきて、短期に景気押し上げに効果のある政策が見え始めている」と指摘。保護主義政策への警戒もあるが、「短期的には景気が上にいくことが明らかになった。政策効果のタイムラグの違いをみて、株式に資金が流れている」とみる。

  25日の米国株は、ダウ工業株30種平均が初の2万ドル乗せと主要指数がそろって史上最高値を更新。決算が市場予想を上回ったボーイングが上場来高値を付け、金融やテクノロジー株も上げた。米投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX)は低下し、14年7月以来の低水準。良好な米決算を受け、日本の企業業績にも楽観的な見方が広がった。アセットマネジメントOneの武内邦信シニアフェローは、「足元の設備投資動向から米国の第2、第3四半期は堅調な景気が想定され、日本株にとってはドル高・円安という好ましい環境が見込まれる」と予想した。

  きょうの日本株は朝方から幅広い業種に買いが先行、午後の取引で上げ幅が300円を超えた日経平均はこの日のほぼ高値圏で引けた。トランプ政権の保護主義的な通商政策への警戒も一部に残り、ドル・円は朝方に一時1ドル=113円5銭と前日の日本株終値時点(113円61銭)から円高に振れたが、日本株への悪影響は限られ、為替離れの様相を呈している。野村証券投資情報部の小高貴久エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「世界景気は米国発の拡大局面にあり、日本の輸出は増加傾向。円安効果だけでなく、数量増からも業績上乗せを期待できる」と話した。

  東証1部33業種は証券・商品先物取引、保険、銀行、海運、化学、電機など32業種が上昇。鉱業1業種のみが下落。東証1部の売買高は23億株。売買代金は2兆7424億円。代金は昨年12月16日以来の多さ。上昇銘柄数は1599、下落は309。金融セクターの上げは、前日の米10年債利回りが2.51%と4週ぶりの高水準を付けたことが要因の1つ。また銀行株は、ドイツ証券が米大統領選後のドル建ての株価上昇率で邦銀の強さが目立ち、世界的な邦銀株の持たざるリスクの顕在化を指摘した。 

  売買代金上位では、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を「買い」に上げた東エレクのほか、クレディ・スイス証券が18年度の最高益更新を予想した信越化学工業が初の1万円乗せ。ジャパンディスプレイ、SUMCOなど半導体関連銘柄が強く、三菱UFJフィナンシャル・グループやファナック、野村ホールディングスも高い。半面、決算が市場予想を下回ったLINE、野村証券が投資判断を下げた富士通ゼネラルは急落。

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