メキシコとの国境沿いに壁を建設する米トランプ政権の計画は、建設業者や建設資材メーカーの見通しを明るくしているが、最大の勝者は米州最大のセメントメーカーであるメキシコのセメックスかもしれない。

  壁の建設には150億ドル(約1兆7000億円)以上のコストがかかる見通しで、米・メキシコ国境の両側で事業を展開するセメックスは、最も恩恵を受ける位置に付けている企業の一つだ。同社の株価は25日の取引で一時2.6%上昇。年初から24日まで18%上げ、ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ソニア・バルデイラ氏によれば、業界トップのパフォーマンスという。トランプ政権が道路や橋、トンネル、空港などのインフラ整備に最大5000億ドルを投じる計画もセメックスの米国事業への追い風となっている。

セメックスの施設
セメックスの施設
Photographer: Susana Gonzalez/Bloomberg

  セメックスにとって米国は最大の市場で、前四半期の売上高の5分の1を占めた。広報担当のホルヘ・ペレス氏は、同社が壁建設にかかわるのかとの問いに対しコメントを控えた。

  建設資材株の値動きは、トランプ政権が建設ブームをもたらすとの楽観ムードを反映している。米バルカン・マテリアルズは1.74%上昇。セメントメーカーのマーチン・マリエッタ・マテリアルズとイーグル・マテリアルズも高く、トランプ氏当選後の上昇幅をさらに広げた。ドイツのハイデルベルクセメントはここ2カ月で最大の上げ。同社はこれまでに、壁建設で恩恵を受けると説明している。ワーナー・エンタープライジズも勝ち組かもしれない。メキシコの対米国境沿いのシウダーフアレスで昨年8月から業務を開始した同社の株価は23日以降4.4%上昇。

原題:Mexican Cement Maker Poised to Profit From Trump’s Wall (2)(抜粋)

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