ドイツ銀行のジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)はこの1年半に、投資銀行事業の縮小、人員削減、法的問題の決着と次々に難題をこなしてきた。次の課題は7150億ユーロ(約87兆円)規模の資産運用部門の立て直しだ。

  同部門は収入増への鍵であると同時に、資本増強にも一役買い得る。クライアンCEOは部門売却についてははっきりと否定しているものの、株式の一部を公開することには含みを持たせている。

  ただ、親会社の財務への懸念が影を落とし、同部門は幹部の退社や5四半期連続の資金流出に見舞われ、ブラックロックやアムンディなど同業他社の後塵を拝している。

  バーダー・ヘルベア(チューリヒ)のアナリスト、トマス・グルゼラク氏は「ドイツ銀はこれまで投資銀行に力を入れ、資産運用事業をやや軽視してきた。現在の経営陣はこのつけを支払っている」と話した。

  事情に詳しい関係者2人によると、昨年10月から部門を率いるニコラス・モロー氏(51)は、新規株式公開(IPO)に賛成だと投資家に述べた。ドイツ銀がルクセンブルクの同部門の部分的IPOを計画しているとロイター通信が関係者の話として24日報じた。

  シティグループのアナリスト、アンドルー・クームス氏は昨年終盤のリポートで、ドイツ銀の資産運用部門は少なくとも80億ユーロの価値があり、25%の株式を売却すればドイツ銀の普通株ティア1比率が10-50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇すると試算した。

  ドイツ銀の資産運用部門からは昨年1-9月に290億ユーロが流出した。10-12月も純流出となる公算が大きい。2016年に退社した幹部は少なくとも18人に上る。モロー氏にとってはとりあえず、投資家の資金引き揚げを悪化させる人員流出を止めるのが急務だろう。

原題:Cryan’s Next Fix: Deutsche Bank’s $800 Billion Fund Business(抜粋)

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