トランプ米大統領、国境の壁建設で大統領令-移民取り締まり強化へ

更新日時
  • トランプ氏、壁建設開始と移民法執行強化の大統領令に署名
  • 難民受け入れの120日間停止や受け入れ総数削減計画を26日に発表か

トランプ米大統領は25日、メキシコ国境に壁を建設するとともに、米国への移民流入規制を強化する大統領令に署名した。選挙戦で掲げた最も抜本的かつ物議を醸した2つの公約の実行に動き出した。

  トランプ大統領が署名した2つの大統領令は、メキシコとの国境1989マイル(約3200キロ)での「物理的な壁」の建設開始と米国内での移民法執行の強化を命じる内容。2番目の大統領令には、連邦移民法を地元警察に執行させることを拒否する「聖域都市」に対し、連邦補助金を与えないなどの厳格な対応も含む。

  国土安全保障省での大統領令署名に当たって演説したトランプ大統領は、「きょうから米国は国境の管理を取り戻し、国境を取り戻す」と言明した。同省は国境の管理とトランプ氏が求める移民規制の多くを実施する主要な権限を持つ。

  トランプ大統領は不法移民に殺害された市民の遺族を演説会場に招待。遺族らに目を向け、壁と一層積極的な移民法執行が「多数の命を救うことになる」と述べた。

国土安全保障省で署名した大統領令を掲げるトランプ氏 (25日)

Photographer: Chip Somodevilla/Pool via Bloomberg

  新政権は難民受け入れを120日間停止することも検討しており、米国で今年度受け入れる総数を11万人から5万人に減らす。計画に詳しい関係者1人によると、この措置はテロに苦しむ国からの難民に対する「徹底的な審査」というトランプ氏の公約を実行するため26日に発表される可能性がある。

  また、国防総省と国務省に対し、シリア難民が紛争解決まで待機できる安全地帯をシリアや周辺地域に設置する計画を策定するよう指示する命令も含まれ得るという。

  トランプ大統領はABCニュースとのインタビューで、壁建設は「数カ月以内」に開始され、メキシコがそのコストを最終的に米国に支払うと説明。「こうした交渉を比較的早期に始めるつもりだ」と述べた。

  壁建設に関する大統領令は国土安全保障省に対し、壁の建設方法や、建設・用地取得で議会に請求する予算についての詳細を半年以内に報告するよう指示。また、国境警備員を5000人、移民対応の職員を1万人それぞれ増員することを求めている。

  トランプ大統領はメキシコ政府に壁建設コストの支払いを迫ると繰り返し述べているが、国境警備用の既存の予算を使って建設を開始する可能性もある。メキシコ政府は壁建設コストの負担を拒否している。

  米下院国土安全保障委員会のマイケル・マッコール委員長(共和、テキサス州)は25日午前にブルームバーグ・ガバメント主催のイベントで、「メキシコが自国議会でこのコストの支払いで予算を確保することはないと思う」と述べ、メキシコや中米諸国の市民向けのビザの料金引き上げがコスト相殺に役立つと指摘。壁のコストは100億-200億ドル(約1兆1300億-2兆2600億円)として、同委が計画を承認する必要があると語った。

  メキシコのペニャニエト大統領は25日夜のテレビ演説で、同国が壁の費用を支払う意思はないと言明。1月31日のワシントン訪問を予定通り行うのかについては言及しなかった。
  
原題:Trump Advances Border Wall to Start Immigration Crackdown (2)(抜粋)

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