25日の東京外国為替市場では、ドル・円相場は日本株の動向をにらんで1ドル=113円台で上下する展開となった。

  午後4時17分現在のドル・円相場は前日比0.1%安の113円69銭。前日のニューヨーク市場の流れを引き継ぎ、朝方に一時113円99銭と114円の大台回復に迫った後、前日比300円を超える上昇で寄り付いた日経平均株価が上げ幅を縮小したのに連れて113円38銭まで反落した。午後に入り日経平均が持ち直すと113円70銭台まで値を戻した。豪ドルは昨年第4四半期の消費者物価指数が予想を下回ったことを受けて、主要通貨に対して全面安となった。

  三菱東京UFJ銀行金融市場グループの野本尚宏調査役は、ドル・円の下落について「日本株が寄り付きから上げ幅を削った動きに合わせて、ドル・円も軟調に動いている」と指摘。さらに実需の売買の多い五・十日(ごとおび)の仲値だったことから、ドル不足期待で114円突破を狙ったポジションも構築されたとみられ、「114円の回復失敗となって、短期的なドルロングの巻き戻しもあったとみられる」と解説した。

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)外国為替部の伊庭剛バイスプレジデントは、「昨日112円半ばで反発したことから、短期のドルショートが巻き戻された動き」とした上で、113円半ばで市場はほぼ偏りのない状況と指摘した。

  トランプ米大統領は24日、パイプライン建設プロジェクト推進の大統領令に署名した。また、米自動車大手の最高経営責任者(CEO)らと会談し、環境規制の緩和を約束した。

  みずほ証券投資情報部の由井謙二シニアFXストラテジストは、「保護主義的な発言で不安定化しそうな状況は変わらず、その発言に一喜一憂するような状況が続きそう」とし、ドル・円相場について「しばらくは110円-115円のレンジが続きそう」と予想している。

  BBHの伊庭氏は、昨年10月に一目均衡表で雲を上抜けた以降、一目均衡表がよく機能していると指摘。「足元では115円台で基準線に戻りを押さえられた後に、雲の中に入ってきている。このため方向感は出づらく、目先的には112円50銭-115円ちょうどくらいで徐々にレンジが狭まっていく動きになりやすい」と分析。ただ、「政治的要因を除けば、米経済は堅調で米連邦公開市場委員会(FOMC)による年内利上げは3回が見込まれている。そこに目が向けば、徐々にドルは回復していくのではないか」としている。

  豪ドルは昨年第4四半期の消費者物価指数の発表後に売られ、対ドルでは一時前日比0.7%安の0.7531ドルまで下落した。同期の消費者物価指数トリム平均は前期比0.4%上昇と、市場予想の0.5%上昇を下回ったことが材料視された。野村シンガポールのG10為替ストラテジストのピーター・ドラギセヴィッチ氏は、「コンセンサス比で総合、コア指数とも失望となった豪CPIの結果は、豪ドルにある程度の下押し圧力を及ぼすはずだ」と指摘。市場が豪中銀の金融政策見通しについて楽観的になり過ぎているとした上で、「年央までに0.70ドル台前半に向けて下落することを示唆している」との見通しを示した。

  この日午後には、トランプ大統領が25日に国土安全保障省でメキシコ国境に壁建設のための大統領令に署名する計画と米ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。この報道後、メキシコ・ペソは対ドルで一時0.3%安まで売られる場面も見られた。

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