この日の日本銀行による長期国債買い入れオペをめぐり、債券市場が揺れた。中期ゾーンの国債買い入れオペの回数が減らされるとの見方や、超長期国債利回りを抑制する措置が講じられていないことを嫌気した売りが相場の下げを急拡大させたためだ。一部の市場関係者からは、テーパリングの可能性が高まったとの声が出ている。

  日銀は午前10時10分の定例金融調節で、残存期間10年超と物価連動債の長期国債買い入れオペ実施を通知した。金融緩和の一環として進めている国債買い入れは原則的に金利の下げ圧力となるはずだが、この日は1年超5年以下が通知されなかったことに加えて、10年超の金額が前回と据え置きとなったことが分かると、債券市場では直後から売り圧力が一気に強まり、利回りが上昇した。

債券市場に浮上したダブル懸念
債券市場に浮上したダブル懸念

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「残存1-5年の国債買いオが今日通知されず、このペースなら今月は5回に減る計算なので売られている」と説明。「1-5年は日銀の買い入れが巨額で売り物がない状況だったので、今回のタイミグは予想外だったが、いずれ買い入れが減るとみていた。4月以降は発行も減る。オペが札割れするよりはここで減らしておいた方が良いとの判断ではないか」と述べた。

  長期国債先物の中心限月3月物は一時、前日比54銭安の149円85銭まで下落。日中取引ベースの下げ幅は昨年12月13日以来の大きさとなった。新発5年債利回りは5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.095%と約1カ月ぶり高水準を付けた。超長期債利回りも軒並み大幅上昇となり、新発20年債、30年債、40年債の各利回りは11カ月ぶり水準まで売られた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「今日は二つ側面がある。短いところが大きく売られている要因としては、1ー5年の買いオペが入らなかった。従来月6回だったところが5回になることを事実上意味している。オーバーナイトで米債や為替もリスクオンのセンチメントの中で、債券売り材料がある中で、超長期のオペは据え置き。一部期待感を持っている人がいたと思われる。何もしなかったということで超長期が売られた」と指摘した。

  日銀は昨年12月14日に、急激な超長期ゾーンの利回り上昇に対応するため、同年9月に長短金利操作を導入して以降、初めて長期国債買い入れを一時的に増額した経緯がある。国債入札の対象となる年限を前日のオペに行ったことや、次回のオペを予告するなど異例尽くしの措置となった。

日本銀行本店
日本銀行本店
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

国債買い入れ運営方針

  日銀金融市場局は昨年12月末、1月の国債買い入れの運営方針について、残存1年超5年以下のオペのオファー回数の表記をこれまでの6回程度から5-7回程度に変更するなど各年限をレンジ表記にした。金融市場局では、月間のオファー回数はこれまでも固定的なものではなかったが、 今回こうした運営方針をより明確に表記したと説明していた。

  中期ゾーンを対象にしたオペ回数はこれまで4年近く月6回行われてきただけに、市場参加者は1月も従来通りを予想していたようだ。1月は24日までに4回実施されている。残り5営業日のうち、流動性供給入札の26日、2年債入札の30日、日銀決定会合の最終日に当たる31日は、原則オファーしない。この日は残り2回のうちの1回が行われる見込みだった。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「今月のオペ通知候補日は、25日と27日の2日しか残っておらず、両日で1回ずつ中期債のオペが通知されるとみられてきた」と説明。「流動性供給入札となる26日に通知がある可能性はゼロではないもののかなり低い。1月は中期の買い入れ頻度が1回減る、いわゆるテーパリングの可能性が高まった。仮にそうなれば2013年4月の異次元緩和導入後で初めてのことだ」と指摘した。    

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