債券市場の新興企業が、米住宅ローン危機の発生過程で投資家の間でもてはやされたデリバティブ(金融派生商品)を復活させようとしている。実際に誕生すれば、金融危機から約10年の歳月を経て、投資家側に新たな住宅ローン証券を受け入れる余地がどれだけあるのかを占う試金石となり得る。

  この新興企業はビスタ・キャピタル・アドバイザーズで、最新のパイロット版を今月リリースした。同社に対してJPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BofA)、クレディ・スイス・グループが価格データを提供したと、事情に詳しい関係者が明らかにした。ビスタはここ数年、インターコンチネンタル取引所(ICE)とこのプロジェクトに取り組んでいる。同社は3行からのデータを活用し住宅ローン証券指数をつくる予定で、その指数がデリバティブの土台になるという。非公開情報だとして関係者は匿名を条件に語った。

  大手3行は最終的には、同デリバティブの商品化には参加しないかもしれないとも関係者は述べた。3行の代表者はコメントを控えた。

  このデリバティブは、米住宅危機発生の過程でつくられたABX指数と呼ばれる金融商品と同様の働きをする。こうした商品は機関投資家らがサブプライム住宅ローン関連取引に用いてリスクを増幅させたとされ、政府が金融機関救済で公的資金投入を迫られた後は需要が激減した。

  新たなデリバティブは質が比較的高くデフォルト(債務不履行)しにくい住宅ローンに裏付けられるほか、ビスタが導入を目指す指数はファニーメイ (連邦住宅抵当金庫)ないしフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が発行し「クレジットリスク移転」証券として知られる証券にリンクすると、ビスタの共同創業者、リチャード・マックウィリアムズ氏は説明した。証券を裏付ける住宅ローンは比較的安全なものの、同証券は政府が保証する通常のファニーメイ債やフレディマック債よりもリスクは高めという。

原題:Remember ABX? Wall Street Said to Test New Mortgage Index (1)(抜粋)  

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