トランプ米大統領は米国の地方都市の労働者に打撃を与えるとして通商協定に反対する政策を推進しているが、こうした政策は、地方のもう一つの支持層を失望させている。それは規制緩和と関税引き下げを期待し、同大統領を熱心に支持してきた農家や牧場経営者たちだ。

  トランプ大統領は23日、環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を決定した。TPPが発効すれば関税が引き下げられ、米国と他の11カ国との経済連携が強まる可能性があった。米国最大の農業団体、米国農業連合会によれば、TPP離脱に伴って米農業界が被る潜在的な売上高の損失は年間で最大44億ドル(約5000億円)に達する見通しだ。

  トランプ大統領が「災難」と呼んだ北米自由貿易協定(NAFTA)に関する協議の再開と、月内に予定されているメキシコ大統領との会談で提案される計画は、米国の貿易の中で純黒字となっている数少ないセクターの一つである農業にさらに大きな打撃を与えるリスクがある。

  アイオワ州中部の4000エーカーの農地で大豆とトウモロコシを栽培するロン・ヘック氏は「次の展開について不安で心配している。トランプ大統領は製造業に懸念を抱いており、軽率に今回の動きに出たわけではないことは分かっているが、今はより良い合意に向けた交渉が可能か成り行きを見守る必要がある」と述べた。

  米農務省の昨年11月の発表によれば、米国のトウモロコシや綿花、大豆などの農産物の2016年10月-17年9月の輸出額は推計1340億ドル。米国の農産物の輸出先上位3カ国は中国、カナダ、メキシコとなっている。米国の農業所得は既に3年連続で減少しており、1977年以降で最長の落ち込みを示している。

原題:Trump’s Push to Protect Small-Town Workers Leaves Farmers Behind(抜粋)

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