英政府がリスボン条約50条に基づく欧州連合(EU)からの離脱手続きを開始するに当たり、議会の承認が必要との判断を最高裁が示した。今後の議会手続きはおおよそ次のような流れが予想される。

議会承認の手続きにどれくらい時間が必要か

  英政府はEU離脱手続き開始の権限をメイ首相に与える法案を提出し、上下両院で一連の段階を経て可決しなければならず、反対派が修正を提案する機会が数多く存在する。最終的な法案の文言についても上下両院の合意が必要になる。全ての議会手続きを1日で終えることは理論上可能だが、緊急時か超党派の合意がある場合に限られるため、通常は数週間、あるいは数カ月かかる場合もある。

リスボン条約50条の発動を議会が阻止することはあるか

  ほぼ考えられない。国民投票の結果に反する形でEU離脱に議員らが反対票を投じることは困難だ。与党保守党の大部分の議員が今は離脱を支持し、政治家個人が造反する可能性はあるが、最大野党の労働党もリスボン条約50条の発動を阻止しないとしている。上院も同様に国民投票で示された意思を無視することをためらうだろう。

反対派は何を要求するか

  離脱交渉の進行過程で問題点を浮き彫りにし、政府に縛りを与える方向で法案の修正を求める公算が大きい。交渉の最新の進展状況を定期的に議会に伝えることを義務化すれば、閣僚らは戦略をめぐる質疑に度々応じ、交渉がうまく運ばないケースでは苦しい答弁を繰り返し強いられることになる。労働党は「EU単一市場への完全な関税フリーのアクセス」維持と、交渉プロセスが終了するまで政府が議会への説明責任を確実に果たすことを求めると予想される。

  交渉結果受け入れの賛否を問う2回目の国民投票実施の要件が加われば、昨年の国民投票のような状況が繰り返される。ただ、今回はEU残留に代わるきっちりしたオプションについて、有権者は選択を迫られることになる。

原題:What Does U.K. Ruling Mean for Brexit and What Comes Next? (1)(抜粋)

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