輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は12月速報で、4カ月連続の黒字となった。市場予想を上回った。自動車部品や半導体などの電子部品が好調で輸出は15カ月ぶりの増加となった。

キーポイント

  • 貿易収支は前年同月比361.6%増となる6414億円の黒字。(ブルームバーグ調査の予想中央値は2811億円)-前月(確報)は1508億円の黒字
  • 輸出は同5.4%増の6兆6790億円(15カ月ぶりの増加)-前月は5兆9568億円
  • 輸出数量指数は8.4%増の98.5と2カ月連続の増加
  • 輸入は同2.6%減の6兆376億円(24カ月連続で減少)-前月は5兆8060億円

背景   

  日本にとって主要輸出国の1つである米国のトランプ大統領は就任前から中国やメキシコと同様、日本にも貿易不均衡が存在していると指摘している。24日には日米間の自動車貿易の不均衡について言及。米新政権の経済財政政策の様子見で円高も進んでおり、輸出の先行き不透明感が高まっている。

  12月の原油価格は対前年比3ドル高の1バレル=46.6ドル。11月は同49.1ドルだった。昨年11月30日の石油輸出国機構(OPEC)減産合意を受けて市場価格は即座に上昇したが、財務省は輸入通関単価に反映されるのは1カ月程度かかる傾向があると説明する。

  対中輸出は過去最大の1兆3013億円を記録。自動車の部分品が前年同月比で38.2%伸びており、財務省は中国での自動車減税の延長をめぐる対応で駆け込み需要があったとの見方を示している。スマートフォン需要の高まりから集積回路(IC)などの電子回路も同38.1%増加した。

エコノミストの見方

  野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは統計発表後、「去年の後半以降、輸出の立ち直りが明確になってきて、それが12月も続いている」と指摘。アジアでスマートフォン需要が増えているほか、中国が景気対策により成長率が底堅いことも輸出増加の背景にあるという。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフエコノミストは発表後のリポートで、2017年の見通しについて、「世界経済の持ち直しと円安の2つの要因により、輸出について強気で考えていい」と予想する。ただ、トランプ米大統領の保護主義的な姿勢が日本の輸出を下押しする方向へ左右する可能性などを挙げ、「中期的には不安感がむしろ強まっている」とも指摘している。


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