トランプ米大統領は24日、主要自動車メーカー3社のトップとホワイトハウスで会談し、米国内に新工場を建設するよう促すためのインセンティブを提示した。トランプ氏はこの数カ月、自動車メーカーが米国外に雇用を移しているとの批判を繰り返していた。

  ゼネラル・モーターズ(GM)とフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)、フォード・モーターの最高経営責任者(CEO)に囲まれたトランプ氏は、「われわれは製造業を米国に回帰させる。非常に大幅な減税を実施し、不要な規制を減らす」と述べた。

  この発言を受け、3社の株価は上昇した。トランプ氏にツイッターを通じて批判されてきた自動車メーカーは、国内の雇用を最大化するとの公約と引き換えに、米国での工場建設を実現可能にするよう、利益押し上げにつながる規制面からの支援を新政権に目立たない形で求めている。

  新工場建設は容易ではないもようだ。2006年以後は3社のいずれも米国で自動車組立工場を開設していない。ミシガン大学教授で元GMチーフエコノミストのマリーナ・ホイットマン氏は「自動車業界が最も避けたいのは生産能力を増やすことだ。世界的に生産能力は過剰であり、それが米国の自動車メーカーを厳しい状況に置いている。難しい決断を迫られることになる」と指摘した。

TPP離脱を歓迎

  トランプ大統領は3社のCEOに対し、「だいたいの意味で、私は環境保護主義者」だと宣言。「環境は大切だと思う。しかし、手に負えなくなっている」と述べた。

  トランプ氏は前日、環太平洋連携協定(TPP)から離脱する大統領令に署名した。またメキシコ、カナダと北米自由貿易協定(NAFTA)を再交渉するとも宣言した。

  フォードのマーク・フィールズCEOは会談後に記者団に対し、「われわれはあらゆる貿易障壁の根源が為替操作にあると繰り返し述べてきた。TPPはそれに対する意味のある対応にはなっていなかった」と指摘。「悪い通商合意を撤回した大統領の勇気に感謝する」と語った。同CEOは前日に開かれたトランプ大統領と製造業経営者らとの会議にも出席した。

  GMのメアリー・バーラCEOは、「力強く競争力のある経済と自動車業界を支える政策に向けてどのように協力できるかについて、非常に建設的で幅広い協議を行った」とコメントした。

原題:Trump Dangles Incentives to Auto CEOs in Push to Lure Factories(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE