25日の東京株式相場は3営業日ぶりに反発。トランプ米大統領の景気刺激策が始動、スピーディーな政策運営に加え、為替の円安も好感された。海外の景気動向に敏感な輸送用機器や機械、電機など輸出株、鉄鋼や非鉄金属、ガラス、化学といった素材株中心に高い。

  TOPIXの終値は前日比15.25ポイント(1%)高の1521.58、日経平均株価は269円51銭(1.4%)高の1万9057円50銭。

  りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、トランプ大統領の政策で「米景気が良くなれば、日本に好影響との見方がある」と指摘。一方で、米景気の好転が「メキシコのように、日本をたたいた上で成り立つ可能性もある」とし、当面は米新政権の発言に日本株も揺さぶられるとの認識を示した。

東証
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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  トランプ米大統領は24日、キーストーンXL、ダコタ・アクセス両パイプラインの建設プロジェクトを推進させる2つの大統領令に署名。米政府にとってより良い取引を求め、再交渉する方針も示した。

  同日の米国株は、素材やエンジニアリング関連が買われ、S&P500種株価指数は0.7%高の2280.07と過去最高値を更新。今後の景気刺激を見込む格好で国際商品市況も上げ、ニューヨーク原油先物は反発、ロンドン金属取引所のアルミニウムは1年8カ月ぶりの高値を付けた。

  24日の米長期金利の上昇を受け、きょうのドル・円相場は午前に一時1ドル=113円90銭台と、前日の日本株終値時点112円89銭からドル高・円安方向に振れた。カブドットコム証券の河合達憲投資ストラテジストは、「パイプラインやTPPの大統領令署名などトランプ氏の行動力の高さが見える」とし、減税や財政政策が実行されれば、「米国の債券需給は悪くなる。米金利上昇、ドル高の第2幕が始まった可能性がある」と言う。

  この日の日本株は米景気に対する楽観的な見方や米国株高、円安推移を好感する買いが幅広い業種に先行、日経平均は朝方に345円(1.8%)高まで大きく上げ、上げ幅と上昇率は大発会の4日以来、3週間ぶりの大きさを記録した。ただ、その後は円安の勢いが一服、米新政権の保護主義傾斜に対する不透明感もあり、伸び悩んだ。

  ニューヨークタイムズ紙は、トランプ氏が米国の南部国境に壁を建設するため、連邦資金を充てる大統領令に25日に署名する計画と伝えた。シリア難民の入国を阻止することやテロ傾向の国家からの難民の入国を削減する計画も検討する、という。フィリップ証券の庵原浩樹リサーチ部長は、「米国外にはショッキングでネガティブなニュースも多い。不安定な状況で、投資家は為替の動きに神経質」と話す。

  東証1部33業種は鉄鋼、機械、非鉄金属、ガラス・土石製品、輸送用機器、化学、電機、証券・商品先物取引、精密機器など30業種が上昇。その他金融、食料品、建設の3業種は下落。東証1部の売買高は19億3434万株、売買代金は2兆2345億円。上昇銘柄数は1529、下落は385。

  売買代金上位では、中国アリババ・グループ・ホールディングの好決算を材料にソフトバンクグループが上げ、SMCやファナック、JFEホールディングス、TDKも高い。クレディ・スイス証券が目標株価を上げたアルプス電気は大幅高。これに対し、東芝や日本電産、大東建託、エムスリーは安い。日電産についてカブコム証の河合氏は、「業績修正期待で上昇してきたため、好材料出尽くしで売られた」とみていた。

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