トランプ米大統領が環太平洋連携協定(TPP)を離脱するための大統領令に署名した。オーストラリアなど他の署名国の中からは米国抜きのTPP発効を模索する動きもあるが、日本政府はこれには否定的で、早期の実現を目指している日米首脳会談などの機会を活用して米側に粘り強く働き掛けていく構えだ。

  安倍晋三首相は24日午前の参院本会議で、トランプ氏は「自由で公正な貿易の重要性については認識していると考えている」と指摘。その上で、「TPP協定の持つ戦略的、経済的意義についても腰を据えて理解を求めていきたい」と語った。

  日本政府は20日、TPPに署名した12カ国の中で最も早く国内手続きの完了を寄託国のニュージーランドに通報。23日には安倍首相がオーストラリアのターンブル首相と電話会談し、TPPを含めた自由貿易について意見交換している。  

  ターンブル氏は24日、TPPは米国抜きでも前進可能との認識を表明。チオボー貿易・投資相は米国抜きのTPPも選択肢との考えを示している。萩生田光一官房副長官は同日の会見で、「TPP協定は米国抜きでは意味がなく、米国抜きでは根本的な利益のバランスが崩れてしまう」と指摘。米以外の11カ国での「行動というのを前提に考えていない」と語った。

二国間交渉

  トランプ大統領は今後の通商政策は2国間交渉を重視する姿勢を示しているが、世耕弘成経済産業相は24日の閣議後会見で、米政府には「まずTPPの戦略的、経済的意義を訴えかけていきたい」と述べている。

  トランプ大統領が仮定を置きながらも日本の自動車貿易について不公平と言及したことについて世耕氏は、日本では米国の自動車に関税がかからないことに触れた上で、「関税以外の部分に関しても日本車と何ら差別的な取り扱いはしていない。こういったことを機会を見てしっかり米国側に説明をしていきたい」と語った。

  麻生太郎財務相は閣議後会見で、米国のTPP離脱による日本経済への影響について、日米の貿易関係の拡大は「双方にメリットがあるということになれば続けていこうという話になるので、直ちに日本経済にすぐに大きな影響が出るというような種類の話ではない」と話した。

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