24日の東京株式相場は続落。為替の円高進行や米国トランプ政権の貿易政策に対する警戒から自動車株が下げ、米金利低下が嫌気された銀行や保険など金融株も安い。株価は期待値をほぼ織り込んだ、と一部アナリストが指摘した電力株も業種別下落率の上位に並んだ。

  TOPIXの終値は前日比8.30ポイント(0.6%)安の1506.33、日経平均株価は103円4銭(0.5%)安の1万8787円99銭。

  三井住友アセットマネジメント株式運用グループの平川康彦ヘッドは、「トランプ大統領は貿易収支の不均衡是正を強調しており、足元のドル高をこれ以上容認しないとのメッセージに聞こえる。口先介入の影響もあり、持続的に円安方向に進みにくい」と指摘。為替や貿易面で予想通りの動きが出ており、「明らかに日本株にとってはマイナス要因」と話した。

東証内
東証内
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  トランプ米大統領は23日、環太平洋連携協定(TPP)を離脱するための大統領令に署名、雇用を米国外に移転する企業に大規模な国境税を課す方針を示した。実業界首脳との会談では、自動車貿易の不均衡をめぐり、「もし例えば、われわれが日本に自動車を売り、日本がそれを不可能とする行動に出ながら、それでも米市場にやってきて大量に車を売りつけるなら、それについて話し合わなければならない。不公平だ」と発言した。

  きょうの為替市場では、ドル・円相場が一時1ドル=112円50銭台と前日の日本株終了時点113円35銭から円高が進んだ。国境税の課税方針を受け、23日の米10年債利回りは前週末比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、2.40%となった。また、次期米財務長官に起用されたムニューチン氏は、上院議員の質問に回答する書簡で、過度に強いドルが米経済に短期的にマイナスの影響を与える可能性がある、と言及した。

  SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「トランプ大統領が保護主義の色彩を強めれば、自由貿易前提で動いてきた企業は政策を改めなくてはならない。経済活動や世界経済は縮小していく」と懸念を示した。さらに、トランプ大統領が自動車市場を不公平と発言し、「関税を上げることや米国で生産した部品の比率を増やすなどの対策が出てくる可能性がある」とも話している。

  もっとも、午前の取引で日経平均が一時上昇転換するなど市場関係者の間では相場の先高観は依然失われていない。岡三証券の森本敏喜エクイティ部長は、「トランプ大統領の政策が日本ではどのセクターに影響が出るのかを見極める状態」と指摘。日本企業の第3四半期決算は悪くないとみられる上、原油価格上昇でマクロ指標も3-4月に向け改善が見込まれ、株価の上昇基調は崩れていないとみる。現在は、買われ過ぎた輸出や金融株にウエート調整の売りが出る半面、出遅れの食料品などに資金が向かう「セクター調整が出ているに過ぎない」と受け止めていた。

  東証1部33業種は銀行、電気・ガス、保険、証券・商品先物取引、その他金融、輸送用機器など28業種が下落。電力株は、ゴールドマン・サックス証券が原子力比率の高い関西電力など6銘柄の電力株は理論価値の上限近辺に達した、と分析した。海運や卸売、鉄鋼、情報・通信、食料品の5業種は上昇。

過去3カ月の東証1部33業種のパフォーマンス
過去3カ月の東証1部33業種のパフォーマンス
Bloomberg

  売買代金上位では、三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株のほか、JPモルガン証券が投資判断を下げたディー・エヌ・エーが安い。業績計画の上方修正が短期の好材料出尽くしとみられた安川電機も下げた。半面、日経平均採用に絡む買いの持ち越しが影響した大塚ホールディングスは売買代金トップで反発、ブイ・テクノロジーやキーエンス、SMC、アルプス電気は高い。東証1部の売買高は18億6688万株、売買代金は2兆2757億円。値上がり銘柄数は802、値下がりは1084。

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