債券相場は上昇。米国のトランプ新政権による通商・為替政策への不透明感を背景に買い圧力がかかった。一方、この日に実施された40年債入札は波乱なく終えたものの、超長期債の上昇は限定的だった。

  24日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比7銭高の150円32銭で取引を開始した。午後にかけて上昇基調を強め、一時は150円43銭と4営業日ぶりの高値を付け、結局は14銭高の150円39銭で引けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「足元は米通商政策などの不透明感が強まっている」とし、「今までの楽観を修正する動きで、国債は安全資産需要で買われている」と指摘。ただ、「引き続きトランプ大統領の一般教書演説などを控えて、インフラ投資や減税の具体性がどうなってくるか慎重に見極める時間になる」と言い、「長期的な金利の本格低下も見込み難く、積極的に上値を買う人は少ない」と付け加えた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と比べて0.5ベーシスポイント(bp)低い0.045%で寄り付き、その後も同水準で推移している。

トランプ米大統領
トランプ米大統領
Photographer: Olivier Douliery/Pool via Bloomberg

  トランプ大統領は職務開始日の23日、ホワイトハウスで開催した企業幹部との朝食会で、雇用を米国外に移転する企業には「極めて大規模」な国境税を課す方針を示した。

  23日の米株式相場は下落。新政権の貿易政策を見極めようとする動きが広がる中、資本財やエネルギーを中心に売られた。S&P500種株価指数は前週末比0.3%安の2265.20となった。一方、米国債相場は上昇し、10年債利回りは7bp低下の2.40%程度となった。

  ムニューチン次期財務長官は「過度に強いドル」が米経済に短期的にマイナスの影響を与える可能性があると述べている。 ドル・円相場はこの日の日本時間朝の取引で一時1ドル=112円53銭と、昨年11月30日以来の水準までドル安・円高が進行。その後は112円台後半で推移している。

40年債入札

  財務省がこの日に実施した40年利付国債入札の結果は、最高落札利回りが0.865%と、市場予想の0.87%をやや下回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.99倍と、前回の2.98倍をわずかながら上回った。

過去の40年債入札の結果はこちらをご覧ください。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、入札結果について、「一部警戒感があった割には良かったと言えるだろうが、前回強かったところから比べるとそれほどでもない」と説明。「25年超の日銀買い入れ額が少ない一方で、40年債の発行は来年度も1回5000億円のままで、需給的には30年、40年は魅力が薄い」とみる。

  この日の新発40年物の9回債利回りは0.5bp低い0.93%で取引を開始。入札後は売りが優勢となり、0.945%を付けている。新発20年物の159回債利回りは一時1bp低い0.61%まで買われた後は0.62%に戻した。新発30年物53回債利回りも0.795%にやや売られている。
  
  岡三証の鈴木氏は、「40年入札が無難な結果ということで、超長期債に買い戻しが入ったものの、長い目で見ると金利上昇の警戒感は残っている」と指摘。「入札がそこそこの結果でも、利回りがどんどん低下していく流れにはなりづらい」と話した。

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