欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、トランプ大統領がTPP離脱に署名

  23日のニューヨーク外国為替市場でドルは下落。トランプ米大統領は環太平洋連携協定(TPP)を離脱するための大統領令に署名したほか、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を表明した。さらに国境税を課す方針も明らかにした。

  リッチモンド連銀のラッカー総裁が「他の当局者よりも若干積極的」に利上げを支持すると、ドルはやや下げ幅を縮小した。同総裁は現地ラジオでのインタビューで発言し、インタビューの内容は同ラジオのウェブサイトに掲載された。

  まだ詳細が明らかにされていないトランプ政権の財政出動は、低い成長軌道から米国の景気を押し上げるとの期待が広がっていたものの、貿易政策への姿勢を背景に保護主義が財政出動の恩恵を損ねるとの懸念が強まった。トランプ大統領は全米の企業幹部との会合で、雇用を米国外に移転する企業には「極めて大規模」な国境税を課す方針を示した。

  トレーダーによると、短期的にはドルは軟調だが、長期的な投資家はドルの押し目買いを活発に進める可能性がある。さらに金融政策当局が引き続き今の軌道を進む場合、米国と他国との利回り差を確保できるとして、長期的な投資家は現行を下回る水準でのドル買い注文を維持しているという。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.7%低下した。ドル指数(DXY)は12月8日以来の低水準を付けた。ドルは主要10カ国(G10)通貨のすべて、および新興市場通貨の大半に対して下落した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で1.7%下げて1ドル=112円71銭。対ユーロでは0.6%下げて1ユーロ=1.0765ドル。
原題:Dollar Extends Loss as Trump Begins Dismantling Trade Agreements(抜粋)

◎米国株:下落、トランプ大統領の国境税発言で-資本財株が安い

  23日の米株式相場は下落。「極めて大規模」な国境税を課すとのトランプ大統領の発言を含め、新政権の貿易政策を見極めようとする動きが広がる中、資本財やエネルギーが大きく値下がりした。

  S&P500種株価指数は前週末比0.3%安の2265.20。ダウ工業株30種平均は0.1%下げて19799.85ドル。

  トランプ大統領はこの日、企業幹部との朝食会で、雇用を米国外に移転する企業には「極めて大規模」な国境税を課す方針を示した。

  また米国が環太平洋連携協定(TPP)を離脱するための大統領令に署名し、自由貿易を尊重する数十年にわたる政策を転換させた。北米自由貿易協定(NAFTA)についても、再交渉すると宣言した。

  S&P500種の業種別11指数では6指数が下げた。

  病院経営企業の指数も下落。トランプ大統領が医療保険制度改革法(オバマケア)に基づく必要条件の免除、先送り、例外適用を連邦機関に命じる大統領令に署名したことに反応した。病院株で下げが大きいのはコミュニティー・ヘルス・システムズ、ユニバーサル・ヘルス・サービシズなど。

  ハリバートンは一時4.5%安。四半期決算では利益が市場予想を上回ったものの、株価は下げた。

  マクドナルドは0.7%安。米既存店売上高の落ち込みが嫌気された。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は2.3%上昇。ここ5営業日で4回目の上昇となった。
原題:U.S. Stocks Fall, Led by Industrials, on Trump Border Tax Remark(抜粋)
原題:Trump Promises Business Leaders Major Border Tax, Rule Cuts (3)(抜粋)
原題:U.S. Stocks, Dollar Retreat as Trump Targets Trade: Markets Wrap(抜粋)

◎米国債:上昇、トランプ大統領が大規模な国境税表明で

  23日の米国債相場は上昇。トランプ米大統領が雇用を米国外に移転する企業には「極めて大規模」な国境税を課す方針を示したことが買いを誘った。

  大統領は「中産階級と企業に対する税金を極めて大きく引き下げる。巨大減税だ」とも語った。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前週末比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.40%。

  10年債利回りは一時、50日移動平均の2.392%を下回る場面もあった。この水準を下回って終えたのは昨年9月以降では今年1月17日しかない。

  利回りは米国株、ドルと共にこの日の最低水準に低下した。トランプ大統領は前週末の就任演説で、保護主義などを通して政治的なエスタブリッシュメント(権力層)に対抗することを表明した。

  5年債と30年債の利回り曲線がスティープ化し、利回り差は5日以降で初めて112bpを超えた。24日の2年債を皮切りに、今週は5年債や7年債の入札も控えている。月末を前にした指数のリバランスも控えていることから、利回り曲線にはフラット化の圧力が掛かる可能性がある。

  JPモルガン・チェースのジェイ・バリー氏率いるストラテジストは20日付のリポートで、国債利回りが今後数週間に一段と低下する余地があると指摘。税制改革案が遅れたり規模が縮小されたりすれば、財政出動をめぐる見方を背景にした選挙後の上昇幅を縮小する可能性があると予想した。

  JPモルガンは「大規模な財政支出」の余地をめぐり懐疑的な見解を示した。同行のエコノミストは2018会計年度の終わりまでに2500億ドルの財政支出が実施されると予想している。
原題:Treasuries Surge, Extending Post-Inauguration Gains(抜粋)
UST Yields May Decline Near-Term, Remain Tactically Bullish: JPM(抜粋)

◎NY金:続伸、2カ月ぶり高値-ドル下落で逃避需要が強まる

  23日のニューヨーク金先物相場は続伸し、昨年11月以来の高値となった。トランプ米政権から保護主義政策が示唆されたことで、金融市場が不安定な動きとなりドルが下落、逃避先としての金の買いが活発になった。トランプ米大統領は環太平洋連携協定(TPP)から米国を離脱させる大統領令に署名。北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉にも近く着手すると予想されている。

  トロント・ドミニオン銀行の商品戦略責任者バート・メレク氏は、「新大統領の下での米経済活動はこれまで広く考えられていたほど素晴らしいものにはならない可能性があることが、次第に明らかになってきた」と指摘。「ドルが下落している。金にとってプラスだ」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は前週末比0.9%高の1オンス=1215.60ドルで終了。一時は1219.40ドルと、昨年11月22日以来の高値をつけた。

  銀先物3月限は0.9%上昇の17.186ドル。プラチナ先物4月限は0.4%上げて979.90ドル。パラジウム先物3月限は2.1%安の771.50ドル。
原題:Gold Futures Jump to Two-Month High as Dollar Sags; Copper Rises(抜粋)

◎NY原油:下落、米リグ稼働数が3年ぶりの大幅増加

  23日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が下落。米国の石油リグ(掘削装置)稼働数が約3年ぶりの大幅増加となったことを受け、石油輸出国機構(OPEC)が減産しても世界的な供給超過の解消は難しいとの見方が広がった。

  USバンク・ウェルス・マネジメントの投資担当シニアストラテジスト、ロブ・ヘイワース氏(シアトル在勤)は「この価格水準なら、シェール生産者は増産で稼ぐことが可能だ」と指摘。「リグ稼働数の増加や今年の投資計画拡大に、それが反映されている」と続けた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前営業日比47セント(0.88%)安い1バレル=52.75ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント3月限は26セント下げて55.23ドル。
原題:Oil Declines as Drillers in U.S. Add Most Rigs in Three Years(抜粋)

◎欧州株:下落、3週間ぶり安値-トランプ米大統領が貿易懸念あおる

  23日の欧州株式市場は下落。米国が環太平洋連携協定(TPP)から離脱する大統領令にトランプ米新大統領が署名したことなどを背景に、相場の揺れが拡大した。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.4%安の361.01で終了した。一時は0.7%安まで下げる場面もあり、3営業日続落。米大統領選以降で最長の下げとなった。銀行株とエネルギー株の下げが目立った一方、鉱業株の上昇が指数を支えた。

  事情に詳しい関係者によると、トランプ大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉についても大統領令に署名する準備を進めている。

  ロンドン・キャピタル・グループの市場アナリスト、ジャスパー・ローラー氏は「市場は国境税に関するトランプ氏のコメントに反応しつつある。このコメントは就任演説の語調と一致する。つまり成長支援よりも保護主義に重点が置かれるということだ」と指摘。「トランプ相場は次第に弱まってきた」と続けた。
原題:European Stocks Slide to 3-Week Low as Trump Spurs Trade Angst(抜粋)

◎欧州債:上昇、フランス債はルペン氏当選リスクで上げ鈍い

  23日の欧州債市場は総じて上昇。ただ、フランス大統領選で極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首が勝利する可能性が意識され、フランス国債の上げ幅が比較的鈍かった。

  ルペン党首は大統領選の初回投票に関する世論調査で首位に立っている。これを受けてフランス国債はユーロ圏で最も安全な資産の一つであるという地位を失いつつあり、同国10年債と同年限のスペイン債とのスプレッドは2010年4月以来の小ささに縮小。一方、フランス債とドイツ債とのスプレッドは2年余りで最大となった。

  ロンドン時間午後4時32分現在、フランス10年債利回りは前週末比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.87%。スペイン10年債は5bp低下の1.45%、ドイツ10年債も5bp低下の0.37%となった。

  アリアンツ・グローバル・インベスターズのグローバル・ストラテジスト、ニール・ドウェイン氏は23日、トランプ米大統領が「アメリカ・ファースト」を唱えたのと同様、ルペン氏が「フランス・ファースト」を前面に打ち出して選挙戦を展開すると予想。ルペン氏がそのようなメッセージを発した際の影響を注視するよう投資家に呼び掛け、「そうした主張でルペン氏に対する信頼が高まるかもしれず、それが成功するかどうかわれわれは注目する必要がある」とブルームバーグテレビジョンのインタビューで述べた。
原題:Le Pen Risk Flashes in Tightest Yield Spread to Spain Since 2010(抜粋)
Euro-Area Government Bonds End-of-Day Curves and Cross Spreads(抜粋)

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