英国の欧州連合(EU)離脱手続き開始に議会の承認が必要かどうかをめぐり、英最高裁の判断が24日に示される。しかし、メイ首相を待ち受けるEU離脱関連の訴訟はこれで終わりでなく、始まりの終わりですらない可能性がある。

  首相あるいは議会にEU離脱手続きを開始する権限があるかを問う裁判で敗訴する可能性に英政府は備えているが、これ以外に少なくとも3つの訴訟が同国政府を待ち受ける。

  最高裁の判決は、メイ首相が離脱手続きをスタートさせるリスボン条約50条を容易に発動できるかどうかに影響する。政府が勝利すれば首相の独断で離脱手続きを開始できるが、敗訴の場合は法案の議会での可決が求められることになり、骨抜きを狙う反対派が修正に動くこともあり得るため、3月末までの離脱交渉開始という首相が目指す日程が遅れるリスクが高まる。

メイ首相
メイ首相
Photographer: Jason Alden/Bloomberg

  EU離脱交渉を正式に開始するには議会承認が必要だと昨年11月に高等法院が判断し、英政府はこれを不服として上訴した。最高裁11人の判事の合議による判決は、ロンドン時間24日午前9時半(日本時間同午後6時半)に下される。

  エディンバラ大学のアラン・ボイル教授(国際公法)は「政府の弁護士を除けば、私が話したほぼ全員が政府の敗訴を予想している。基本的に法制化が必要になり、非常に短い法案を議会に提出しなければならないことをそれは意味している」と指摘した。

  英下院議員の大多数が昨年6月の国民投票で「残留」を支持し、多くの上院議員もEU離脱が選択された投票結果に懸念を表明した。英最大野党である労働党と与党保守党内の批判勢力は、EUからの離脱妨害を試みるような国民の意思に反する動きはしないとしているが、議会での法案審議を通じてメイ首相が目指すいわゆるハード(強硬)なEU離脱路線を修正する機会が与えられる可能性がある。


欧州単一市場

  メイ首相が17日のスピーチでEU単一市場からの撤退を含む離脱戦略の概要を明らかにしたことで、法案が議会で修正される見通しは高まっている。今回の裁判以外でも、欧州単一市場を支持するピーター・ワイルディング氏とエイドリアン・ヤランド氏を中心とする「127条キャンペーン」が英高等法院に起こした訴訟は、単一市場への残留あるいは離脱の選択が昨年の国民投票で問われていないと認定するよう裁判所に求めている。ヤランド氏によれば、2月3日に最初の審理が行われる予定。

原題:Supreme Court Brexit Ruling Unlikely to End May’s Legal Battles
May Plans Short Brexit Bill If She Loses in Supreme Court (1)(抜粋)

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