三菱重:MRJ納入2年延期、20年半ばへ-「勉強すべきだった」

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  • 装備品の配置変更、電気配線全体の設計変更などで遅れ
  • 「もう少し勉強すべきだった」-宮永社長

三菱重工業は、傘下の三菱航空機が開発中の三菱リージョナルジェット(MRJ)の量産初号機の引き渡し予定を2年間延期し、2020年半ばにすると発表した。納入延期は5度目となる。

  発表資料によると、「一部装備品の配置変更等を実施するとともに、電気配線全体を最新の安全性適合基準を満たす設計へ変更することになった」としている。従来の納入予定は18年半ばで、当初の予定は13年だった。三菱重は16年に名古屋空港から米国ワシントン州の空港にも飛行試験の拠点を広げ、国による安全性認証である型式証明の取得を目指している。

MRJの初飛行(15年11月)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  「もう少し勉強すべきだった」と、宮永俊一社長が都内本社の記者会見で述べた。MRJ開発は客船事業と規模と複雑さが似ていると考え、「同じような形でできると思って取り組んで、分析力が足りなくて大きな失敗が続けて起った」と話した。今回の納入の遅れで開発費は3割くらい増える可能性もあるという。

受注447機

  国産初のジェット旅客機となるMRJは、最新の騒音基準や燃費性能などが特徴で、ブラジル航空機メーカーのエンブラエルとカナダのボンバルディアの小型機を競合として開発が進められている。約70席と約90席の2種類があり、受注は昨年7月に発表したスウェーデン企業のロックトンからのMRJ90型20機の受注契約を含め、累積受注は447機となる。MRJ90の最新のカタログ価格は1機4730万ドル(約54億円)。

  宮永社長によると、納入延期により開発費は3割ぐらい増える可能性があるとしながらも、単年度決算への影響は「ほとんどない」としている。受注のキャンセルや見直しの要望なども「現段階では具体的にはございません」と述べた。

  量産初号機を受け取る予定の全日本空輸の伊藤麻帆氏は「非常に残念であるが、安全を第一に、万全なる準備の上、完成度の高い機体が納入されることを願っている」と電子メールで回答。「少しでも早い時期に納入されることを求める」と同時に「引き続き開発をサポート」したいと述べた。

  三菱重は昨年11月28日付で宮永社長直轄の「MRJ事業推進委員会」を立ち上げ、開発促進のための協議をしてきた。

(宮永社長の会見での発言を第3、第5段落に加えます.)
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