トランプ米大統領は23日、ホワイトハウスで実業界首脳と会談し、雇用を米国外に移転する企業には「極めて大型」の国境税を課すとあらためて表明する一方で、規制の75%緩和を確約した。

  米労働者の機会拡大を大統領選の主要公約としていたトランプ大統領は、職務開始日のこの日、ホワイトハウスで企業幹部との朝食会を開催。その後、米国が環太平洋連携協定(TPP)を離脱するための大統領令に署名した。政府当局者によれば、午後には労組の幹部らと会談する予定。

  朝食会にはダウ・ケミカルのアンドルー・リベリス最高経営責任者(CEO)をはじめ、製造業に関する大統領諮問委員会を構成する企業幹部らが出席した。

ダウ・ケミカルのリベリスCEO
ダウ・ケミカルのリベリスCEO
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  トランプ大統領は幹部らを「素晴らしい人たちだ」と称賛した上で、生産の国外移転をめぐる警告は本気だと伝えた。

  トランプ大統領は同会合で日本にも言及、仮定の話としながらも自動車貿易の不均衡をめぐり、「もし例えば、われわれが日本に自動車を売り、日本がそれを不可能とする行動に出ながら、それでも米市場にやってきて大量に車を売りつけるなら、それについて話し合わなければならない。不公平だ、不公平だ」と述べた。中国の不公正貿易についてもあらためて指摘した。

  北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を始めると表明したトランプ大統領に対し、メキシコのペニャニエト大統領は抵抗する構えを見せたが、カナダのフリーランド外相はより慎重な姿勢を示した。

  ペニャニエト大統領はトランプ氏の方針表明の数時間後、メキシコ市の大統領官邸で演説し、「われわれはカナダ、米国、メキシコの3国間の自由貿易を保持すべきだ。3国間の通商には関税や制限を課すべきではない」と訴えた。同大統領は今月31日にホワイトハウスでトランプ大統領と会談する予定。

  フリーランド外相は23日、閣議開始前に記者団に対し、トルドー政権はこの日の午前、対米関係の問題に忙殺されたと説明。「私も含めカナダ国民が極めて互恵的だと考えるNAFTAの一員であることにわれわれは非常に満足している。しかしもちろん、カナダと米国の関係は主として二国間関係であり、カナダ国民はそれを承知し、理解していると思う」と語った。

  企業幹部との朝食会でトランプ大統領は楽観的な見解を示し、「われわれが望んでいるのは製造業を(米国に)取り戻すことだ」とした上で、自分の減税案は経済成長の加速に寄与するだろうと発言。「中産階級と企業の双方を対象に大型減税を実施する」と語った。

  トランプ大統領はまた、成長促進には減税より規制への取り組みの方が重要との認識を示し、経済政策では特に事業に対する規制緩和に重点を置く意向を示唆した。

  朝食会に出席した企業トップはこのほか、フォードのマーク・フィールズCEOやデルのマイケル・デル会長兼CEO、ワールプールのジェフ・フェティグ会長兼CEO、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のアレックス・ゴースキー会長兼CEO、ロッキード・マーチンのマリリン・ヒューソン会長兼CEOなど。ゼネラル・モーターズ(GM)の幹部は出席しなかった。

原題:Trump Promises Business Leaders Major Border Tax, Rule Cuts (4)(抜粋)

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