中国の電子商取引会社アリババ・グループ・ホールディングの馬雲(ジャック・マ)会長は米大統領就任前のトランプ氏と今月会談した際、中国のオンライン消費者と米国の小規模事業者を結び付けることで米国に100万人の雇用を創出すると約束した。その約束を実行しなければならないのがアリババ社長のマイケル・エバンス氏だ。

  馬氏が描くビジョンには規模が現実的でなく、実現は困難だと批判するアナリストもいるが、中国で1000万の小規模事業者と取引してきた実績は米国での取り組みでひな形になり得るとエバンス氏は話す。

  エバンス氏は「当社は規模が小さい企業と消費者をつなぐ力、今回の場合はこうした企業の商品に新たな消費者を集めることや、雇用拡大の面で小規模事業者に与える影響を理解している」と説明。「今後5年間はこれが米国におけるビジネスの最優先課題、焦点になるだろう」と述べた。

アリババのマイケル・エバンス社長
アリババのマイケル・エバンス社長
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  中国経済が1990年以来の低成長にとどまる中、アリババは収入源を拡大しようとしている。馬氏による100万人の雇用創出宣言は新たな取り組みとして捉えられているが、2025年までにアリババの収入に占める中国国外の割合を半分超にしたいと同氏が表明して以来、同社は米国事業を拡大する方針を明確にしてきた。

  エバンス氏は米国内で商品を販売している事業者と新たな需要の源泉である中国やアジアの消費者を結び付けることが鍵になると指摘。アリババは「タオバオ・パートナーズ」と呼ばれる事業者に対する支援サービスを提供しているほか、物流関連会社の菜鳥網絡科技を使い、ニューヨーク在住のジェッド・スティラー氏などの小売業者も支援している。

トランプタワーでトランプ氏と並ぶ馬氏
トランプタワーでトランプ氏と並ぶ馬氏
Photographer: Evan Vucci/AP Photo

  スティラー氏の「スタジアム・グッズ」はナイキやアディダスの限定版スニーカーをデラウェアから上海に発送。同氏が計画する年間取引額1億ドル(約113億6000万円)のうち、アリババの「Tモール・グローバル(天猫国際)」経由が最大10%となっており、これが15%に届けば同事業に焦点を当て最大70人を採用する可能性があると話した。

原題:Alibaba’s Million-Job Boast Reflects Slower China Growth Outlook(抜粋)

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