エアバッグ問題からの再建を目指すタカタに法的整理の可能性が浮上し、その社債価格が急落している。法的整理になれば社債もデフォルト(債務不履行)となり、回収率は低くなることが予想されている。

  19日付の日本経済新聞はタカタに法的整理案が浮上と報道。ブルームバーグデータによると、タカタ債価格(21年償還)は報道前日の62.8円(額面100円)から、23日までに31.1円となり約50.5%下落した。

  多額のリコール費用や賠償金のリスクを抱えるタカタは昨年、外部専門家委員会を設置して再生方法を模索してきた。当初は、法的整理を避けてスポンサー(出資者)による資本増強による再生を目指していたが、スポンサー候補からは私的整理よりも透明性の高い法的整理を求める声が出ている。タカタが法的整理入りとなれば残存額が合計300億円の同社債もデフォルトとなる。

  大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは、タカタ債について「法的整理の可能性が報道されて、社債がデフォルトした時の回収額を市場が織りこみにいっている」と指摘。日本航空やエルピーダメモリを含む「国内社債のデフォルト事例での回収率は平均で10%台」だが、タカタに関してはリコール費用の負担額といった「回収率を推定していく根拠が出ていない」ため予想は難しいと語った。

  SMBC日興証券の阿竹敬之クレジットリサーチ課長は、社債投資家の間で法的整理の可能性が高まったという見方が広まっていると話し、「法的整理となった場合、社債保有者の回収率は極めて低くなる」と語った。

  ホンダや独フォルクスワーゲンをはじめとする世界の自動車メーカーは、タカタ製エアバッグが原因で自動車のリコールを行っており、総額で1兆円規模に上るとみられる費用を一時的に負担をしている。一方、タカタの自己資本は9月末時点で1216億円。この負担については責任の度合いによってタカタにあらためて請求する姿勢を崩しておらず、被害者からの損害賠償訴訟なども含め、偶発債務のリスクを抱えている。

  タカタの広報担当は、社債価格の急落についてコメントを控えた。

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