トランプ大統領就任後にホワイトハウスのドアを最初に開く欧州の指導者になることは名誉であり、メイ英首相はその権利を手に入れようと努力した。しかし、同時にそれは気の遠くなるような困難を伴うことになりそうだ。

  メイ首相はトランプ大統領就任から7日後の27日にワシントンを訪問する。北大西洋条約機構(NATO)の将来やシリアの内戦をめぐる問題への新大統領の関与を促すことが目的だと同首相は表明しているが、米英が目指す2国間貿易協定の詳細を確認することが最も重要な仕事になる。

  「他国がわれわれの製品を製造し、われわれの企業を盗み取り、われわれの雇用を損なう」ことだと通商を捉えるトランプ大統領と、国際自由貿易の推進者を自任するメイ首相との間にどのような共通の立場が存在し得るだろうか。イスラム教徒を入閣させる女性宰相が、全てのイスラム教信奉者の入国禁止を望むと主張する大統領とどのように折り合いをつけるのだろうか。

  メイ首相は22日にBBCに対し、「将来に向けて非常に強固な英米関係を望むと彼は私に既に表明している。容認できないと考える点があれば、ドナルド・トランプ大統領にいつでもためらわずそれを伝える」と語った。

  メイ首相には切れるカードが幾つかある。英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を選択したことをトランプ大統領は称賛しており、EU離脱をトランピズム(トランプ主義)に属する動きだと考えれば、英国との寛大な通商交渉を支持する方向に動かざるを得なくなる可能性がある。トランプ政権の複数の当局者は、メイ政権との予備的な貿易協議が、EU離脱でより強硬な姿勢を首相に促したと考えていると非公式に語った。

  英最大野党・労働党のコービン党首は、トランプ大統領が有利な取引を提示する可能性に懐疑的だ。コービン氏は大統領就任式の演説を「米国ファースト、米国オンリー、米国内向き思考」だと表現し、「トランプ大統領が何らかのひも付きでない英国との貿易協定を突然提示してくる」見通しを示唆していないと指摘した。

原題:Trump Poses Diplomatic Dilemma for May With White House Invite(抜粋)

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