債券相場は上昇。トランプ米新政権への期待先行で進んでいたドル高や米長期金利の上昇を修正する動きを背景に買い圧力がかかった。一方、40年利付国債入札を翌日に控えた売りなどで上値も限定された。

  23日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前週末比4銭高の150円22銭で取引開始。一時は150円32銭まで上昇したが、午後は伸び悩む展開となり、2銭安まで下げた。取引終了にかけて持ち直し、結局7銭高の150円25銭で引けた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、トランプ大統領の就任演説について、「リスクマーケットが望む減税やインフラ投資より、保護主義的な通商政策の方が先行してしまった感がある」とし、いったん先週の後半に進んだドル高・円安と米金利上昇の巻き戻しの動きが入りやすく、円債が買われていると説明。一方、40年債入札を翌日に控えて、「売られてほしい局面で相場が上がってしまっており、入札への入り方としてはあまり良くない」と言い、「結果が不調になるとまた相場が下がる可能性もある」とみる。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値から0.5ベーシスポイント(bp)低下の0.055%で寄り付いた後、一時0.045%まで低下。午後は0.06%を付けた後、0.055%に戻している。 

  超長期債はいったん買われた後に伸び悩み。前週末にスティープ(傾斜)化が進んだ反動で買いが入り、新発20年物の159回債利回りは一時1.5bp低い0.615%、新発30年物の53回債利回りは2bp低い0.775%まで低下したが、その後はそれぞれ0.625%、0.79%で推移している。

新政権発足

トランプ米大統領 
トランプ米大統領 
Bloomberg

  トランプ大統領は20日の就任演説の中で、「きょうこの日からアメリカファースト(米国第一)あるのみだ」と述べ、米国の雇用を守るなどナショナリズムを示した。

  20日の米国債市場では10年債の利回りが2.51%に上昇する場面もあったが、結局1bp未満低下の2.47%となった。この日のアジアの時間外取引では2.42%台まで水準を切り下げている。

  ドル・円相場はこの日の東京時間の取引で1ドル=113円台前半と、3営業日ぶりの水準までドル安・円高が進んでいる。

40年債入札

  財務省は24日、40年債入札を実施する。利回り競争入札によるダッチ方式で、応札は0.5bp刻み。発行額は5000億円程度。26日には残存5年超-15.5年以下を対象とする流動性供給入札が予定されている。

  40年入札について、ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、日銀のイールドカーブコントロール下でもスティープ化が進行し、金利水準が上がっているのはポジティブとしながらも、「投資家の買い目線には届いていないだろう」と指摘。「2017年度にかけて40年債は自然増額で需要は緩和方向、ブルフラット化リスクが低いとみられる。生保のデュレーションマッチングの買いニーズは3月までに時間の余裕があることや、内外金利の上限を見極めたいというインセンティブが働きやすい」などの理由を挙げた。

過去の40年債入札結果はこちらをご覧下さい。

  東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、「今年度の収益にめどが付き、リスクテイカーが減っている感は否めない」とし、「足元のベアスティープ化はそれを裏付けていよう」と指摘。しかし、「日銀の対応も期待され、40年債入札後は超長期ゾーンの需給は好転しよう」とみる。

  日銀がこの日に実施した長期国債買い入れオペの結果は、残存期間「1年以下」の応札倍率が4.64倍、「5年超10年以下」が3.97倍と、ともに前回を上回った。

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