ドナルド・トランプ氏は20日、第45代米国大統領に就任した。就任演説は同氏の支持者を意識した闘争的でポピュリスト的な内容で、自身の支持基盤以外の人々に寛容さを示したり海外の指導者を安心させるよう努力した跡はほとんど見られなかった。

  トランプ大統領は就任演説で米国の現状を暗く描き出した。自国を「さびついた工場」が「墓石のように散在」し、中流階級の富が「剥ぎ取られて」いる暴力的な「米国民虐殺」の場所と表現した。その上で米国の雇用を守るとしてナショナリズムを示し、外交政策ではイスラム教徒のテロを根絶し自国の利益を最優先にすると表明。「きょうこの日からアメリカファースト(米国第一)あるのみだ」と述べた。

  演説の大半は政治的なエスタブリッシュメント(権力層)への攻撃。トランプ氏は「きょうは、単にある政権から別の政権、またはある政党から別の政党へと権力が移行する日ではない」とし、「権力をワシントンDCから移し、あなたたち国民に戻す」と言明した。

  就任初日に政治的に穏健な言葉が聞かれるのではと期待していた人々は、何も得られなかった。

  トランプ氏は米東部時間正午(日本時間21日午前2時)ごろ、連邦議会議事堂でロバーツ連邦最高裁長官立ち会いの下、宣誓を行った。トランプ氏を大統領就任に導いたポピュリズムのうねりの中、同氏は米国の政治秩序を作り直すと語った。

  トランプ氏は「米国の忘れ去られた人々がもはや忘れ去られることはない」と述べ、「今後は誰もがあなた方に耳を傾ける」と発言。「この米国民大虐殺は今ここで終わる」とし、「中流階級の富は家庭から剥ぎ取られ、世界各地に再配分されてしまった。だがそれはもう過去のことだ。今後は未来にのみ目を向ける」と述べた。

原題:Trump Presidency Opens With Combative ‘America First’ Appeal (1)(抜粋)

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