トランプ次期米大統領は貿易問題で中国に対抗する選択肢を検討しているが、米国が前回、中国を正式に為替操作国に認定した20年余り前と同様の手段に訴えることは不可能だ。

  クリントン政権は1994年に中国を為替操作国に認定。当時は中国が為替政策で協力することと同国の世界貿易機関(WTO)加盟交渉を結び付けて取引材料にした。当時はまだWTOとは呼ばれておらず前身の関税及び貿易に関する一般協定(GATT)だったが、中国は米国の懸念を和らげる措置を講じて為替操作国認定を解除させ、その後数年を要したものの2001年にWTO加盟を果たした。

  現在は状況が全く異なる。米国はもはや相手を動かすそうした「てこ」を持っていない。また、保護主義的な立場を取るトランプ氏に対して自由貿易やグローバリゼーションを唱えているのは中国の習近平国家主席の方だ。さらに、中国の急速な発展と経済の多角化によって米国との2国間貿易の相対的な重要度は低下している。

  また、中国が為替相場を操作しているとしても現在は1990年代と異なり、人民元相場を押し下げるためではなく支えるためだ。

原題:Trump Lacks Lever From Last Time China Named FX Manipulator (1)(抜粋)

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