来週の債券市場では超長期債利回りが上昇し、スティープ(傾斜)化圧力がかかりやすいと予想されている。米国のトランプ新政権の発足に伴い、財政拡大やインフラ投資など景気浮揚策の本格始動への期待感から株高・円安となり、債券が売られやすいことが背景。40年利付国債の入札に対する警戒感も出ている。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、国際通貨基金(IMF)が公表した2017年、18年の世界経済見通しでは、トランプ新政権の財政刺激策を踏まえ、米国の経済成長見通しが上方修正されたとし、「米国を中心とした世界経済の回復見通しに当面変化はない」と指摘。「トランプ政権の政策にらみの状況が続く中、円安・株高期待を背景に債券相場は上値の重い展開が続く」と見込む。

  今週の新発10年物国債345回債利回りは0.05%でスタート。17日の20年債入札を無難に終えたことで18日には一時0.04%まで買われる場面もあった。19日の5年債入札が低調になると売りが優勢となり、0.075%と1カ月ぶりの水準まで上昇した。

  20日の取引では超長期債が売られ、新発20年債利回りは0.635%、新発30年債利回りは0.80%、新発40年債利回りは0.945%と、いずれも昨年12月半ば以来の高水準を付けた。

トランプ次期米大統領
トランプ次期米大統領
Bloomberg

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「トランプ氏の発言次第では、為替や株が上下に動くことが想定されるが、円債市場については日銀の国債買い入れと投資家の様子見姿勢の中で、振れは相対的に小さくなりそう」だとみる。

  財務省は24日に40年利付国債入札を実施する。利回り競争入札によるダッチ方式で、応札は0.5ベーシスポイント(bp)刻み。発行額は5000億円程度となる。

過去の40年債入札の結果はこちらをご覧ください。

市場関係者の見方

*T

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*日銀の金融緩和姿勢が続き良好な需給環境が長期金利の上昇を抑えようが、引き続き上値追いには慎重な投資家が多い
*40年入札控えて超長期国債は上値の重い展開続こうが、利回りが上昇したことで生保や年金資金からの需要で無難に消化されよう
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.10%

◎メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジスト
*40年債入札の結果弱いと超長期ゾーン中心に売り要因になりやすい
*超長期中心にスティープニング圧力加わりそう
*長期金利の予想レンジは0.03%~0.10%

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッド
*27日の消費者物価に注目。市場の目線は2月か3月に前年比ゼロ%に戻り、年内に1%に届くかといった辺り、この見通しを維持できる数字が出て来るか
*20年債入札で落ち着きかけた超長期ゾーンの需給が24日の40年債入札でどうなるか
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.10%

◎T&Dアセットマネジメント債券運用部の泉功二ファンドマネージャー
*日銀による金利コントロールの外にある超長期ゾーンは相変わらず軟調
*FOMCがタカ派バイアスを強めてくる可能性には注意が必要
*長期金利の予想レンジは0.03%~0.09%
*T

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