安倍晋三首相は20日午後の衆院本会議で施政方針演説を行い、「日米同盟こそがわが国の外交・安全保障政策の基軸」であることは「不変の原則」と訴え、同日発足するトランプ新政権との関係構築に意欲を示した。

  演説で安倍首相は昨年末にオバマ大統領と真珠湾を訪問したことに言及。日米は「和解の力により、強い絆で結ばれた同盟国」とした上で、「できる限り早期に訪米し、トランプ新大統領と同盟の絆をさらに強化する考え」を明らかにした。

  外交政策については今年は米国やフランスなど世界各国の指導者が交代することで「大きな変化が予想される」中で、「しっかりと軸」を打ち立て、「ぶれないこと」が最も大切と指摘。就任から5年目を迎えたことから、先進7カ国(G7)のリーダーの中でも在職期間が長くなっていることに言及し、「ダイナミックな平和外交、経済外交を展開し、世界の真ん中でその責任を果たしてまいります」と述べた。昨年開催が見送られた日中韓サミットに関しては、今年日本で開催する方針を示した。
  

自由貿易の旗手

  通商政策に関しては、「自由貿易の旗手として、公正なルールに基づいた、21世紀型の経済体制を構築する」との決意を表明。トランプ氏が撤退の意思を示している環太平洋連携協定(TPP)は「今後の経済連携の礎となるもの」と指摘した。日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の早期合意や、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)などの枠組みが「野心的な協定となるよう交渉をリード」すると話した。

  今年が日本国憲法の施行から70年の「節目」に当たると述べ、「未来を生きる世代のため、次なる70年に向かって、日本をどのような国にしていくのか。その案を国民に提示するため、憲法審査会で具体的な議論を深めようではありませんか」と呼び掛けた。

  安倍首相はこれまでの施政方針演説の中でも改憲について言及しているが、今回は「国民に提示するため」「具体的な議論」などの文言を使い、一歩踏み込む形となった。

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