20日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=114円台後半で推移。米国時間のトランプ次期米大統領就任式を控えて様子見姿勢が強まる中、前日終値を挟んでもみ合う展開となった。

  午後3時35分現在のドル・円は前日比0.1%安の114円74銭。午前の仲値にかけて115円13銭まで上昇した後は伸び悩み、午後に入って114円54銭まで下げる場面もあった。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%安の1256.08。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部外国為替・コモディティー営業部長の吉利重毅氏は、「基本的にトランプ氏の大統領就任式を前に動きづらい状況」と指摘。ドル・円の上値を抑えている要因としては、「トランプ節への警戒やムニューチン次期財務長官による『ドルが非常に強い』という言い方などがあるかもしれない」と述べた。

  米国では20日、トランプ氏の第45代大統領就任式が開かれる。20分程度の演説を行う予定で、金融市場の反応が注目されている。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「基本的に具体的な政策への言及はないと見込んでいる。細かい内容に踏み込むものではなく、米国を偉大な国にしていくという総論的な話になる」と予想。「個別の国・企業を攻撃するようだと不安が出てリスク回避的なムードになると思うので、それさえなければ、相場に影響を与えないだろう。就任直後に指示していく政策の内容に注目している」と述べた。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は日本時間20日午前にカリフォルニア州で講演し、米金融当局がインフレ圧力の抑制で後手に回っていないと述べ、緩やかに金利を引き上げる戦略を支持する考えを示した。米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した予想確率によると、連邦公開市場委員会(FOMC)の3月会合までの利上げは20日時点で33.1%程度と見込まれている。

ドルと円
ドルと円
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「ドル・円は仲値に向けて上昇したものの、イエレン議長の発言を受けて下落。ただ、何か売り材料があったというよりも、18日の発言から新味がなかったことを受けた売りだったと思われる」と説明。「オーバーナイトで115円半ばを付けたものの、トランプ大統領就任を前にしてそうした高値水準でドルを持ってしまった向きの手じまいもあったのかもしれない」と述べた。

  トランプ新政権の為替政策に関心が集まる中、ムニューチン次期財務長官は19日、上院財政委員会で開かれた指名承認公聴会で、強いドルは長期的には重要だと述べ、現状は「非常に、非常に強い」との認識を示した。麻生財務相は20日の閣議後会見で、為替乱高下が望ましくないのは確かだとし、ムニューチン氏とトランプ氏の意見が違うとは感じないとの見解を示した。

  ノムラ・インターナショナルの後藤祐二郎シニアFXストラテジスト(ロンドン在勤)は、「ムニューチン氏は、基本的には強い通貨を維持するために貿易政策を実行していくというような発言もしている。スタンスとしては、それほど強くドル安を求めていく感じではないのではないか」と分析した。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ユーロ=1.0676ドル前後。

  欧州中央銀行(ECB)は19日、政策金利の据え置きを決定。債券購入プログラムを少なくとも年末まで継続する政策を再確認した。ドラギ総裁は会見で、インフレ加速を懸念するドイツに忍耐を呼び掛けた。

  みずほ証の鈴木氏は、「ドラギ総裁の会見は思ったよりはハト派なところがあった。ただ米大統領就任式を控え、ムニューチン次期財務長官発言でひっくり返された」と説明し、ユーロ・ドルは、「1.05~1.1ドルのレンジ内での攻防が続く」と見込んでいる。

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