債券相場は上昇。日本銀行が実施した長期国債買い入れオペで需給の引き締まりが示されたことを受けて買い安心感が広がった。半面、超長期ゾーンは売り優勢の展開となり、利回り曲線にはスティープ(傾斜)化圧力がかかった。

  20日の長期国債先物市場で中心限月3月物は、前日比11銭安の149円98銭で取引を開始。149円97銭を付けた後は水準を切り上げ、午前の金融調節で日銀買いオペが通知された後は上昇に転じた。午後はオペ結果を受けて一段高となり、結局は9銭高の150円18銭で引けた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「超長期の金利上昇に関しては昨日から続いているグローバルな金利上昇の流れが継続して売られている部分が強い。一方で今日の日銀オペで中期などはそれなり需給の引き締まりが意識される結果。あらためてイールドカーブコントロールの対象、日銀がターゲットを設定しているところの10年以下はしっかりしているということ」と述べた。

  日銀が実施した長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間「1年超3年以下」、「3年超5年以下」、「10年超25年以下」、「25年超」とも応札倍率が前回から低下した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.075%で開始。午後に入ると0.06%に下げた。

  超長期債は下落。新発20年物の159回債利回りは一時2.5bp高い0.635%、新発30年物の53回債利回りは3.5bp高い0.80%、新発40年物の9回債利回りは3.5bp高い0.945%まで上昇した。いずれも新発債として昨年12月半ば以来の高水準を付けた。

  T&Dアセットマネジメント債券運用部の泉功二ファンドマネージャーは、「日銀による金利コントロールの外にある同ゾーンは相変わらず軟調で、長期的には戻ってくるだろうが、こういう状況下では売られやすい」と話した。

  19日の米国債相場は下落。米10年国債利回りは前日比4bp上昇の2.47%程度で引けた。一時は2.49%と3日以来の高水準を付ける場面があった。予想より良好だった昨年12月の住宅着工件数などの米経済統計に反応して売りが優勢だった。

米新政権発足 

トランプ次期米大統領
トランプ次期米大統領
Photographer: Kevin Dietsch/Pool via Bloomberg

  ドナルド・トランプ氏はこの日、第45代米大統領に就任し、新政権が発足する。「米国第一主義」を打ち出しており、世界経済などでさまざまなリスクが指摘されている。

  こうした中、次期財務長官のスティーブン・ムニューチン氏は19日、上院財政委員会で開かれた指名承認公聴会で、強いドルは長期的には重要だと述べ、現状は「非常に、非常に強い」との認識を示した。トランプ氏はドルは強過ぎると言及していた。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッドは、「目先の手掛かりに乏しい中でポジション調整はみられるが、トランプ氏うんぬんで動いている感じはしない」と指摘。「円債市場にとっては米国の財政出動や景気浮揚が日本の物価に影響するかどうかなので、今の段階では織り込みようがない。10-12月期の金利上昇をどうやって埋めていくか、最終的には日銀のオペに入れていくしかない」と述べた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、トランプ氏の就任演説について、「先週の同氏記者会見で は具体的な財政政策等への言及がなく、失望的なドル安・金利低下を招いた。その後、具体性・実効性を伴う政策を練ったとの情報はない」と指摘。「金融市場は直観的に保護主義を嫌うので、そうした演説内容に対する反応としては株安・債券高・円高が想定されやすい」と言う。

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