20日の東京株式相場は3日続伸。良好な住宅統計など米国経済の先行きに楽観的な見方が根強く、午後の取引で上昇基調となった。機械や非鉄金属株など景気敏感セクター、原油市況の上昇を受けた石油や鉱業株も高い。米長期金利の上昇が材料視された保険株は業種別上昇率のトップ。

  ただし、トランプ次期米大統領の就任演説を現地時間20日に控え、積極的な取引は見送られ、東証1部の売買代金はことし2番目の低水準だった。

  TOPIXの終値は前日比5.31ポイント(0.3%)高の1533.46、日経平均株価は65円66銭(0.3%)高の1万9137円91銭。ともに13日以来、1週間ぶりの高値水準を回復。

  アイザワ証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネジャーは、「米経済指標は強く、米長期金利の上昇圧力が衰える気配はない。多少の口先介入があっても、日米金利差の拡大などでドル高・円安の流れは今後も変わらない」とみている。他の先進国のファンダメンタルズも上向いており、「企業収益が堅調な日本株に投資を積極化しようという動きが続く可能性は高い」と言う。

トランプ氏就任演説へ
トランプ氏就任演説へ
Photographer: Daniel Acker/Bloomberg

  米商務省が19日に発表した昨年12月の住宅着工件数は、前月比11%増の123万戸と市場予想の119万戸を上回った。前週の米新規失業保険申請件数は減少し、1月のフィラデルフィア連銀製造業指数は予想以上に上昇。良好な経済指標を受け、同日の米10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.47%となった。

  前日の海外為替市場では、一時1ドル=115円60銭台と11日以来のドル高・円安水準に振れた。しかし、その後は米要人の発言などが材料視され、きょう午後の東京市場では114円台後半とドルの上値は重かった。

  次期米財務長官に指名されたスティーブン・ムニューチン氏は19日、指名承認公聴会での質疑応答で、現状のドルについて「非常に、非常に強い」と発言。連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長はカリフォルニア州での講演で、米金融当局がインフレ圧力の抑制で後手に回っていないと述べ、緩やかに金利を引き上げる戦略を支持する姿勢を示した。

  この日の日本株はドル伸び悩みのほか、週末による持ち高調整の売りも出て、午前のTOPIX、日経平均は下落場面もあるなどもみ合う展開。売り圧力が薄れた午後は徐々に堅調さを増した。午前11時発表の中国の2016年のGDPは、前年比6.7%増で市場予想と一致した。アイザワ証の三井氏は、「中国経済はうまくコントロールされている印象」と言う。

  東証1部の売買高は17億9140万株、売買代金は2兆650億円。代金は前日から8.9%減り、16日に次ぐ低水準だった。値上がり銘柄数は1152、値下がりは709。大和証券投資戦略部の高橋卓也シニアストラテジストは、間近に控えたトランプ氏の演説について「特定の国を対象に攻撃的なコメントをする可能性がある一方、インフラ投資や減税策の詳細を語ることも考えられ、織り込みにくい」との認識を示した。

  東証1部33業種は保険、石油・石炭製品、機械、鉱業、金属製品、非鉄金属、海運など25業種が上昇。その他製品や陸運、医薬品、その他金融、輸送用機器など8業種は下落。売買代金上位では東芝やSUMCO、第一生命ホールディングス、三菱電機、コマツが高い半面、がん免疫治療薬で提携する米ブリストル・マイヤーズ・スクイブが併用療法で加速承認を目指さないことを決めた影響で、小野薬品工業は安い。大塚ホールディングスや花王やJR東海も軟調。

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