欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は19日、インフレ加速を懸念するドイツに忍耐を呼び掛けた。ECBは債券購入プログラムを少なくとも年末まで継続する政策を再確認、政策金利も据え置いた。「回復が堅固になれば金利も上昇する」と総裁は述べた。

  ECBの決定発表後にショイブレ独財務相は、同中銀の政策を国民に説明するに当たりドイツ政府は「政治的問題」に直面すると発言した。ドラギ総裁はインフレ加速について、原油相場の上昇が主因だとして静観する姿勢を示した。「コアインフレ率の上昇傾向を示す確固たる兆候は見られない」として、当局者らは「物価安定への中期的見通しに影響しないと判断される限り、インフレ率の変化に静観を続ける」と述べた。

  ドラギ総裁はインフレの動向が2%弱を目指すECBの目標に沿っていると考える条件として、中期的な目標に一致すること、持続的であること、刺激策が解除された後も自律的に継続すること、ユーロ圏全体に広がることを挙げた。先月の月間購入額の減額決定はテーパリングではないと重ねて強調した。

  ECBは域内で予定される一連の選挙や英国の欧州連合(EU)離脱交渉、米新政権発足に起因する政治的不透明にも留意する。ドラギ総裁は景気の下振れリスクを指摘し、主として「世界的要因」によるリスクだと説明した。

  総裁はデフレリスクがほぼ去ったとの認識も繰り返したが、域内の1国のインフレ率が過度に上昇したからといって対応することはないと言明。「ユーロ圏の総合インフレ率を高め、中期的に支えるために、極めて大規模な水準の金融緩和が必要だ」とした上で、「ユーロ圏全体の回復がドイツ市民の利益になる」ことに理解を求めた。

原題:Draghi Says ECB Unconvinced on Inflation as Pickup Driven by Oil(抜粋)
Draghi Urges German Patience on Inflation as Euro Area Heals (1)

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