二酸化炭素など排ガスの出ない環境対応車として期待されている燃料電池車(FCV)について、トヨタ自動車の内山田竹志会長は燃料の水素を充てんするステーションの整備が必要と指摘し、ハイブリッド車(HV)の普及スピードほどにはならないとの見方を示した。

  スイス・ダボスの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席した内山田氏は、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで「FCVはインフラ整備が必要で、HVの普及のスピードほどにはならないと思っている」と話した。その上で、トヨタはFCV「ミライ」について、2020年には年間で現状の約10倍の3万台を販売したいと述べた。

  トヨタが初めてHV「プリウス」を1997年に投入した際には、「いつボリュームゾーンに入ってくるか」と質問を受け、20年後にはトヨタの新車の20%ぐらいになるのではないかと話したという。現在はトヨタの新車のうち、日本で45%、欧州で30-35%がHVになっていると語った。プリウス開発の責任者を務めた内山田氏は「私たちの希望的予想をはるかに超えて広まった」と述べた。

  FCVは燃料の水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、排出するのは水だけで、電気モーターで走行する。700万円を超える価格や、水素充てんステーションのインフラ整備などが普及への課題だ。

  トヨタなどの自動車メーカーや、ロイヤル・ダッチ・シェルなどのエネルギー会社を含む国際的企業13社は、水素利用を推進する水素協議会をダボスで発足させた。発表資料によると、協議会は水素を利用した新エネルギー移行に向けた共同のビジョンと長期的な目標を提唱する活動体で、水素関連の開発や商業化で大がかりな投資をさらに加速させていくという。

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