メイ英首相が17日の演説で発したメッセージは非常に明確だった。英国は欧州連合(EU)単一市場から撤退する。この決断は移民流入を制限しようとしている英政府の方針と一致するが、EU加盟国として享受してきた経済的な恩恵はリスクにさらされることになる。EUや他国と有利な条件で貿易協定を結べなければ、英国の長期的な成長見通しが損なわれる可能性もある。

  EUは2015年に英国の財・サービス貿易の約半分を占めた。他の多くの加盟国が比較的富裕で、地理的にも近いことを考えれば恐らく驚くべきことではないだろう。

  ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のモデルでは、英国と他のEU加盟国との貿易水準は欧州単一市場に入っていない国々との貿易に比べて約10%高くなっている。さらに、このモデルを見ると、EUとの貿易拡大が他国との輸出入を犠牲にして成り立っていることを示す証拠は乏しい。つまり、EU加盟によって英国が非加盟国と疎遠になることなく全体的に貿易が生まれていたようだ。

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  所得水準と貿易の関係に関するさまざまな推計を使うと、EU加盟は英国の1人当たり国内総生産(GDP)を約2%押し上げたことが示されている。

  2年にわたるEUとの交渉プロセスが終わり、英国が単一市場から撤退した途端にこうした恩恵が消えることを意味するわけではない。結局のところ、貿易パターンの変化は比較的緩やかで、貿易に影響を与える政策や制度が分離するには時間を要する可能性がある。メイ首相が移行期間を設けることができればなおさらだ。

  だが、これは楽観できる理由にはならない。EUとどのような協定を結んだとしても、単一市場に加わっていた時に比べて恩恵が小さくなるのは間違いないだろう。EUに頼る英企業への影響を極力抑える取り決めを実現することが課題になる。こうした企業に新たな機会を提供することも同じく重要だ。他国との協定が重要な役割を果たすだろうが、協定を結ぶには時間がかかり、貿易フローの反応も鈍くなる公算が大きいことは肝に銘じる必要がある。

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  メイ首相の演説は金融市場に好感された。英政府の立場がやや明確になったことを反映した可能性がある。17日のブルームバーグ・ポンド指数は約2.2%上昇したが、消費者物価上昇率が予想を上回ったことも一因だ。17日に上げたとはいえ、EU残留・離脱を問う国民投票からの落ち込みを考えれば、小さいものだ。言い換えれば、投資家は依然として単一市場撤退後の英経済の先行きに悲観的な見方をしている。メイ政権に立ちはだかる課題は大きい。

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原題:U.K. INSIGHT: Trade Has Most to Lose in May’s Brexit Vision (1)(抜粋)

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