19日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=114円台後半を中心に推移した。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言などを受け、米金利上昇に伴いドル買いが進んだ海外市場の流れが一服。ムニューチン次期財務長官の指名承認公聴会や週末のトランプ次期大統領の就任式を控えて様子見姿勢が強く、ドル・円はもみ合いとなった。

  午後4時現在のドル・円は前日比ほぼ横ばいの114円61銭。午前には一時114円89銭を付け、先週末以来の高値を更新。その後伸び悩んだが、下値は114円44銭までとなった。

  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは、「昨日の動きは、トランプ次期大統領のドル高けん制を拡大解釈してドルを売った向きの買い戻しにすぎない」とし、「これ以上買い上がる材料があるわけでもないし、かといってあらためてショートという相場でもない」と指摘。「トランプ就任式の発射台が115円半ばになるどうかというところだろう」と語った。

  18日の米国債市場では10年債利回りが10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.43%まで上昇。外為市場では、トランプ次期米大統領の「ドルは高過ぎる」との発言を受けて前日に売られていたドルの買い戻しが進んだ。

  イエレンFRB議長は18日の講演で、米経済について、FRBの目標である完全雇用と安定した物価に近いと述べるとともに、経済の改善が続くと自信を示した。FRBが同日公表した地区連銀景況報告(ベージュブック)では、労働市場のタイト化による賃金圧力や物価圧力の高まりが指摘された。

  三菱東京UFJ銀行の平井邦行上席調査役(ニューヨーク在勤)は、イエレン議長は特段新しいことを言ったわけではないが、今週に入ってからトランプ相場を調整するような動きがあり、週末に米大統領就任式も控えて、「巻き戻しの巻き戻しというような動き」とドルの上昇を説明。「ちょっとやり過ぎを戻したというイメージ。何か方向感につながるということはないと思う」と話していた。

  米国ではこの日、ムニューチン次期財務長官の指名承認公聴会が予定されている。バンク・オブ・アメリカ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、北米自由貿易協定(NAFTA)の早期再交渉着手を示唆したロス次期商務長官の公聴会を受けて昨日の海外市場でメキシコ・ペソやカナダ・ドルが売られたように、ムニューチン氏の公聴会も相場材料となる可能性があり、「注意が必要だろう」と話した。

  ユーロ・ドルは前日の海外市場で1ユーロ=1.0700ドル前後から1.06ドル台前半まで反落。この日の東京市場では一時1.0622ドルと2営業日ぶり安値を付けた後、下げ渋った。

  ブルームバーグのエコノミスト調査によると、19日の欧州中央銀行(ECB)の政策委員会では金融政策の現状維持が見込まれている。クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、「ドラギ総裁会見でテーパリングの時期のヒントを見極めたい。ただ、市場の大きな反応は出ないだろう」と語った。

  豪ドルは1豪ドル=0.7494ドルと2営業日ぶりの安値を付けた後、0.75ドル台前半まで反発。この日発表された昨年12月の豪雇用統計は、労働参加率が上昇する中で失業率が小幅悪化するなど強弱まちまちの内容で、相場への影響はほとんど見られなかった。

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