19日の東京株式相場は続伸。連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が米国経済に自信を示し、米長期金利が上昇、為替もドル高・円安に振れたことを好感した。企業業績に対する楽観的な見方が復活し、自動車など輸出株、海運株など景気敏感セクター、銀行株中心に高い。

  TOPIXの終値は前日比14.29ポイント(0.9%)高の1528.15、日経平均株価は177円88銭(0.9%)高の1万9072円25銭。日経平均は3日ぶりに1万9000円台に戻した。

  しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁シニアストラテジストは、米国の消費者物価指数(CPI)でインフレ加速が示唆されたほか、「米景気にかなり慎重とみていたイエレン議長が利上げに前のめりになった印象。ことしの米利上げは6月と12月の2回と予想していたが、3回になることも念頭に置かないといけない」と指摘。完全雇用のような状況でインフラ投資や減税など米次期政権の政策が打たれるため、「米長期金利は高止まり、ドル高・円安基調が続く」との見方を示した。

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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米労働省が18日に発表した昨年12月のCPIは前月比0.3%上昇と、前月の0.2%から伸びが拡大した。また、FRBのイエレン議長は18日のサンフランシスコでの講演で、米経済はFRBの目標である完全雇用と安定した物価に近く、改善が続くと先行きにも自信を示した。さらに「私と同僚の大半」が2019年末にかけて年数回の利上げを予想していたとも発言。ダラス連銀のカプラン総裁は、より力強い成長と構造改革により、「米金融政策当局は一段と早急に金利を正常化できるだろう」と述べた。

  このほか、12月の米鉱工業生産指数も前月比0.8%上昇。18日の米10年債利回りは10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ2.43%となった。為替市場ではドルが見直され、きょうの東京市場で一時1ドル=114円89銭と13日以来のドル高・円安水準に振れた。前日の日本株終値時点は113円30銭。証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、「米長期金利の目先のボトムを確認でき、ドル安・円高を通じた日本株下落への警戒感が後退した」と言う。

  この日は朝方から輸出、金融セクター中心に買いが先行、日経平均は午前に一時228円高の1万9122円まで買われた。その後も堅調に推移したが、午前の高値は抜け切れず、午後前半には一時87円高と伸び悩んだ。岡三証券の阿部健児チーフストラテジストは、20日のトランプ次期米大統領の就任式が近づき、「取引は短期筋の手じまいがほとんど」と指摘。11日の会見では貿易不均衡問題で日本を名指しするなど市場関係者の失望を呼んだだけに、就任演説では「財政出動などプラス材料と保護主義政策といったマイナス材料のバランスを見極めたい」としている。

  東証1部の売買高は22億5444万株、売買代金は2兆2667億円。値上がり銘柄数は1546、値下がりは364。東証1部33業種は海運、銀行、パルプ・紙、輸送用機器、非鉄金属、空運、ガラス・土石製品、証券・商品先物取引、機械など30業種が上昇。鉱業、石油・石炭製品、小売の3業種は下落。鉱業や石油は、前日のニューヨーク原油先物の下落がマイナス材料となった。

  売買代金上位では、三菱UFJフィナンシャル・グループやファナック、第一生命ホールディングス、商船三井が買われ、JPモルガン証券が目標株価を上げたホンダも高い。半面、米原子力事業での損失が7000億円規模の可能性と共同通信が報じた東芝は急落。空売り調査会社のウェル・インベストメンツ・リサーチが「売り」を推奨したユーグレナも安い。

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