英国のメイ首相が演説で欧州連合(EU)単一市場からの撤退を表明したことを受け、日本政府や進出企業は今後の離脱交渉の行方やその影響を慎重に見守る姿勢を示した。

  菅義偉官房長官は18日午前の記者会見で、日本政府として「世界経済や日系企業の活動に対する離脱による影響を最小限にすべく、英国およびEUに対して引き続き働き掛けをしていきたい」との考えを示した。

  菅氏は「多くの日系企業が英国を含む欧州で活動している」とした上で、「離脱に関する動向については引き続き高い関心を持って注視していきたい」と述べた。今後の英国とEUとの関係については「離脱交渉次第であると思う」との認識を示した。

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  日本は現在、EUとの間で経済連携協定(EPA)の合意に向け交渉を進めている。菅氏は交渉への影響についても問われたが、世界経済や日系企業に「どのような影響が出るのか、もうしばらく見守っていきたい」と述べた。

進出企業

  帝国データバンクの昨年6月24日付リポートによると、英国には同月時点で1380社の日系企業が進出し、業種別では製造業が40.4%と最多で、卸売業(18.7%)、サービス業(17%)、金融・保険業(11.5%)が続いている。

  トヨタ自動車はブルームバーグの取材に対し、EUとの関税などの障壁がないアクセスは「英国の自動車業界全体の競争力維持のために重要」と指摘した上で、「英国事業の影響については、今後の動向を注意深く見守りながら検証していきたい」と電子メールで回答した。

  日産自動車広報担当のニコラス・マックスフィールド氏は英国で長期的な事業や投資を確かなものとするため、現地政府と引き続き協力していくと電子メールでコメントした。

  日本政府は昨年9月、英国とEUへの「日本からのメッセージ」を公表。関税や通関手続きの負担がない物品貿易や自由な投資ができるビジネス環境を維持し、または急激な変化を緩和することで英国が企業関係者にとって「引き続き魅力ある地であり続けることを期待」すると指摘していた。

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