18日の東京外国為替市場ではドル・円相場が反発し、1ドル=113円台前半まで水準を切り上げた。前日の海外市場でトランプ次期米政権の経済政策の不透明感などを背景に広範なドル売りとなったが、この日は日本株の上昇などを受けてドル買い・円売りが優勢となった。

  午後4時現在のドル・円相場は前日比0.6%高の113円31銭。前日のニューヨーク市場の流れを引き継ぎ、朝方に一時112円57銭と昨年11月30日以来の安値を更新した。しかし、その後は東京の公示仲値にかけてドル買いが優勢になると、午後に入り日経平均株価が前日比プラス圏を回復して100円超まで上げ幅を拡大したことを受けて113円37銭まで上値を伸ばした。前日急騰したポンド・ドル相場も反落しており、ドルは主要通貨に対して全面高となっている。

  三菱東京UFJ銀行金融市場部為替グループの野本尚宏調査役は、ドル・円相場の反発拡大について「日経平均が戻った動きにドル・円そのものは連れている」と指摘。トランプ次期大統領の政策について議会共和党との関係で実効性に不透明感が生じている懸念はあるものの、「この間のドル・円の下落でドルのショート・ポジションがたまっており、金曜日の就任式に向けて大統領への期待感からポジションの巻き戻しが進む可能性がある」と述べた。上値のめどとしては、「17日のNY時間高値の113円58銭や月曜の高値が近い114円50銭といった水準ではストップロスの買い戻しが加速しやすい」としている。

  一方で、トランプ次期大統領の就任を控えて下値リスクも指摘されている。バークレイズ証券の門田真一郎シニア為替・債券ストラテジストは「ドル・円は就任式を控えた短期的な不透明感から上下にボラティリティの高い状況は続きそうだが、すぐに大きく下落していく感じはしない」と分析。その上で、「トランプ政権高官の発言には引き続き注意で、本日のロス次期商務長官の公聴会や明日のムニューチン次期財務長官の公聴会にはには警戒が必要だろう」との見方を示した。

  みずほ証券投資情報部の由井謙二シニアFXストラテジストも「トランプ次期大統領の経済政策に対する不透明感は残っている」とし、一目均衡表の雲の上限112円21銭や、昨年11月9日安値101円20銭から12月15日高値118円66銭の38.2%押しの111円99銭、11月28日安値・11月21日高値の111円36銭などのチャートポイントを下値のめどに挙げた。その上で、「トランプ氏に対する不透明感で動いている相場だけにこれらの節目で止まるとも思えず、瞬間風速的な下値リスクは110円まで広げておきたい」と語った。

  前日は、メイ英首相が演説で欧州連合(EU)離脱(Brexit)の最終案を議会の採決にかけると約束したことを受けて、ポンドが急騰、対ドルでは2008年10月以来の上昇率を記録した。
この日の東京市場でポンド・ドルは一時1.2328ドルまで下落し、同時刻現在は0.5%安の1.2348ドル。

  JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉為替調査部長は「メイ英首相の演説にサプライズはなかったとした」とした上で、「ハードBrexitへの懸念からポンド安が進んでいたので巻き戻しの動き。うわさで売って事実で買うという流れだ」と説明した。

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