対米貿易黒字の大きさを評価軸とするトランプ次期大統領の通商政策では、日本も標的となりかねない。もっとも、みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストの分析によると、通貨面で日本の円が米国に不利益をもたらしているとの批判は必ずしも当たらない。国際決済銀行(BIS)が算出するドルの名目実効為替レート(NEER)は2014年1月以降の約2年半で22%上昇した。NEERの算出で用いられる各通貨のウエートを勘案すると、ドル高の半分がメキシコ・ペソとユーロ、中国人民元の3通貨の下落によるもので、円の寄与度はわずかだ。唐鎌氏は、「そもそも円はウエートが小さいため、相当動かないとドル相場全体への影響は与えないはずだが、トランプ氏は直感的な話が多く、円は割を食ってしまいそうだ」と指摘。「『対米黒字⇒許せない⇒円高』という単純な三段論法でドル・円が押し下げられる展開は想定せざるを得ない」とみている。

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