今年は超長期国債の運用環境が厳しい年になる。日本銀行による国債の積極的な買い支えは長期債までにとどまり、財務省の発行計画では超長期ゾーンだけが増発されるため、投資家需要が盛り上がらないと市場関係者はみている。

  超長期債で今年最初の入札となった11日の30年利付国債入札は、最低落札価格がブルームバーグがまとめた市場予想を下回る低調な結果となった。17日の20年債入札では最低落札価格が予想を上回ったものの、相場への影響は限定的された。むしろ、来週に行われる40年債入札への警戒感から40年債利回りに上昇圧力がかかる場面があった。

  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「10年以下のゾーンは日銀の買い入れによるサポートが厚い」とした一方で、超長期セクターに関しては、「利回りが意外に上がっているが、意外と放置されている感があり、どんどん下げていきたいという考えはないと思う」と分析。「昨年の夏以降に日銀がマイナス金利を深掘りしなかったという面から考えても追加緩和を想定しづらく、今年は金利が大幅に下がりづらい1年になる」と読む。

超長期オペ増額は一時的

黒田東彦日本銀行総裁
黒田東彦日本銀行総裁
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀が昨年9月に導入した「長短金利操作」は、短期金利と長期金利に目標を設置し、イールドカーブ(利回り曲線)をコントロールすることを目的にしている。20年債利回りが昨年12月13日に約10カ月ぶりの水準となる0.65%まで上昇した際、日銀は翌日に残存期間10年超の国債買い入れ増額などで金利上昇を抑制。しかし、その後利回りが低下すると2週間程度で買い入れ額を元に戻した。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、日銀の金融調節について、「超長期ゾーンが一番サポートされにくく、イールドカーブを立たせていくのではないか」と指摘。「20年債入札は相場が大きく動いていなかったので無難に終えることができたものの、いったん相場が動き出すと、超長期ゾーンは売り方向とみている」と話した。

  24日の40年債入札について、野村証の中島氏は、「供給が増えるゾーンにもかかわらず、水準的に安いとは言いにくく、入札が強く終わるイメージはない」と指摘し、警戒感があるとの見方を示した。

  財務省が昨年末にまとめた2017年度の国債発行計画によると、入札を通じた市中発行額は141.2兆円と16年度当初計画より5.8兆円少ない。2年債は1.2兆円、5年債は2.4兆円の減額。10年債は19年ぶりに1.2兆円減らす。超長期ゾーンは20年債は1.2兆円減らすものの、30年債は据え置き、40年債は0.6兆円増やす。既発債を追加発行する流動性供給入札が1.2兆円増となることを含めると、超長期ゾーンは実質的な増額となる。

過剰な金融緩和からの出口

  日銀の黒田東彦総裁は18年4月に任期満了を迎える。ブルームバーグが昨年12月にエコノミスト39人を対象に実施した調査では、総裁の任期中に追加緩和はないとの見方が64%を占めた。

  JPモルガンの山脇氏は、「過剰な金融緩和からの本格的な出口が18年前半に見えてくるので、今年後半からはさらに金利が下がりにくい環境になってくる」と指摘。「黒田総裁の任期終了は避けようがない材料で、年末になって後任人事に不透明感が強まる状況になれば、より日本国債から離れる動きが出てくる。全般的に買いが手控えられて、ゆっくりじわっと金利が上がってしまうような展開になる」とみている。

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