金融機関は英国の欧州連合(EU)離脱で最悪の事態に備えながらも、メイ英首相が欧州単一市場からの撤退に際し「段階的アプローチ」を取ると公約したことを歓迎した。

  メイ首相は17日にロンドンで演説し、「単一市場のメンバーシップを求めない」と言明。「代わりに包括的で大胆かつ野心的な新しい自由貿易協定を通じて、それに最大限アクセスできることを目指す」と述べた。

ロンドンの金融街
ロンドンの金融街
Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg

  同首相はEUと結ぶ新たな貿易協定に金融機関が対応できるよう移行期間のために奮闘すると約束したものの、首尾良く運ぶ保証はない。ロンドンからEU全域に自由にサービスを提供する権利が保護される確約がなければ、金融機関は英政府による離脱交渉開始から数週間以内に欧州大陸への業務移管手続きを始める方針を表明している。英銀HSBCホールディングスのダグラス・フリント会長は17日、メイ首相演説に先立ち「どこに向かっているのかが分からない時は最悪に備えて計画し、迅速に実行しなければならない」と述べた。

  メイ首相は離脱計画の12の重要目標を示し、3月末までに離脱プロセスを開始した後にEUと合意を成立させられることに自信を示した。「スムーズ」な離脱を確実にするために「段階的アプローチ」を呼び掛けた。

  英国の金融業界のロビー団体、ザシティUKのマイルズ・セリック最高経営責任者(CEO)は発表文で、「リスボン条約50条に定められた期間の終了時に新たな合意への対応で移行期間を認めるという、本日示された段階的アプローチをわれわれは支持する」と述べ、「英国拠点の金融機関や関連する専門的サービスなど高度に規制された業界にとって十分な時間を確保することが重要になる」と指摘した。

  メイ首相の演説後、米モルガン・スタンレーの幹部はアナリストとの電話会議で、新たなルールへの対応で大陸側に欧州新本社を設立する必要が出てくる可能性が高いと述べた。昨年6月に同社のコルム・ケレハー社長は、ダブリンかフランクフルトに設立する公算が大きいことを明らかにしていた。
  
原題:Banks Welcome May’s Phased Brexit Bid Amid Plans to Relocate (1)(抜粋)

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