債券相場は下落に転じた。トランプ次期米大統領のドル高けん制発言を受けた前日の米国債相場の上昇や円高進行を背景に買いが先行したが、日本銀行による国債買い入れオペの結果が需給の緩みを示すと先物主導で売られた。

  18日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比7銭高の150円45銭で取引を始め、開始直後に150円49銭まで上昇した。一方、午後は売りが先行して下落に転じ、一時12銭安の150円26銭を付けた。結局、150円32銭で終了した。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、この日の国債買いオペについて、「24日に40年債入札が控えているため、在庫を軽くしたい意図が働いたのではないか。昨日の20年債入札は業者が中心だったとみられ、在庫がだぶついていた可能性がある」と言う。

  日銀はこの日午前の金融調節で今月6回目となる長期国債買い入れオペを実施した。応札倍率が残存期間「5年超10年以下」で低下する一方、「10年超25年以下」と「25年超」では上昇した。また、「10年超25年以下」では平均利回り差がマイナス0.001%にとどまった。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.04%でしばらく推移した後、午後から徐々に水準を上げ、0.055%を付けた。新発の超長期債利回りも午前の取引で前日よりも低い水準で推移したものの、20年物159回債利回りは0.585%、30年物53回債利回りは0.735%、40年物9回債利回りは0.875%へと横ばいの水準まで戻した。

  17日の米国債相場は、トランプ次期米大統領がドルは「強過ぎる」と発言した報道で押し上げられ、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp)低下の2.33%程度で引けた。外国為替市場では一時1ドル=112円57銭までドル安・円高が進んだ。一方、東京株式市場では、日経平均株価が上昇に転じ、為替相場は1ドル=113円台前半で推移している。

米大統領就任式

  20日にトランプ次期大統領の就任式を控えて市場参加者が慎重になっている面もある。11日の記者会見では、生産拠点を米国外に移す米国企業に国境税を課すとの考えを示す一方、具体的な経済政策についての言及はなかった。メリルリンチ日本証券の大崎氏は、「基本的に超長期債についての市場の見方がベアに傾いている中で、就任式を控えて様子見になっているのではないか」と言う。

  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、就任演説に対する不透明感を指摘した上で、「いずれにせよ、リスク資産への期待が盛り上がる感じにはなりにくい。日本国債には円高・株安を通じ、多少の追い風にはなるだろう」との見方を示した。

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