欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、トランプ氏の「強過ぎる」発言で-ポンド上昇

  17日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。トランプ次期米大統領がドルは「強過ぎる」と発言したことを受けた。一方でポンドは上昇。メイ英首相が表明した欧州連合(EU)離脱をめぐる戦略に反応した。

  ドルは主要通貨の大半に対して値下がり。トランプ氏は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、ドルは既に「強過ぎる」とし、中国が自国通貨を押し下げていることが一因だと述べた。ポンドはドルに対し、世界金融危機以降で最大の上げとなった。
  HSBCホールディングの資産配分グローバル責任者、フレドリク・ナーブランド氏は「現局面ではドルは他を導く光となっており、米国の具体的な政策内容がどうなるかに注目が集まっている」と指摘。「きょうのドル下落は、構造的な変化というよりノイズだろう。トランプ氏が計画通りに成長を生み出す政策を打ち出し、他国で同様の財政政策が見られないようであれば、資本がどこの流れていくかという問題になる」と続けた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比1.3%安。

  ポンドはドルに対し3%高の1ポンド=1.2414ドル。円は対ドルで1.4%上げて1ドル=112円62銭。

  現在のところ、英国のEU離脱とトランプ氏という昨年から続く2つの主要な市場テーマに終わりは見えない。市場は大統領就任式を20日控えた状況でのトランプ氏のコメントに当惑する一方、メイ英首相がEU離脱をめぐる最終案を議会の採決にかけると表明したことでポンドはドルに対する上昇の勢いを強めた。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチのストラテジスト、アサナシオス・バンバキディス氏は電子メールで、「メイ首相が離脱の最終案を両院の採決にかけるというのはポンドを支える要因だ」とコメントした。「議会の承認を得るためには良い合意でなければならない」と指摘した。
原題:Dollar Drops on Trump Comments as May Boosts Pound: Markets Wrap(抜粋)
原題:Pound Set for Best Day Since 2008 After May’s Brexit Statement(抜粋)

◎米国株:反落、銀行や工業株中心に売り-ドルの下落も嫌気

  17日の米株式相場は反落。金融株や工業株を中心に売りが優勢になった。ドルが大幅安になったことも嫌気された。

  S&P500種株価指数は前営業日比0.3%下落して2267.89で終了。ダウ工業株30種平均は58.96ドル(0.3%)安い19826.77ドルで終えた。

  トランプ次期大統領は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、ドルは既に「強過ぎる」と指摘し、中国が自国通貨を押し下げていることが一因だと述べた。トレーダーはこの発言をめぐり、ドル全体のことを指しているのか、人民元に対するドルについて言及したのかを検討している。

  金融株は2.3%下落し、最も下げがきつい。主要決算やトランプ相場の弱まりが背景にある。一方、公益事業は1.2%、生活必需品は1.4%それぞれ上昇した。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は5.8%上昇。12月28日以来の大幅な上げとなった。

  情報技術(IT)株は0.4%下落。米反トラスト(独占禁止法)当局が提訴する構えだとブルームバーグが報じたクアルコムは4%下げた。

  一時1.3%下げたヘルスケア株は0.5%下落。

  朝方に四半期決算を発表したモルガン・スタンレーは3.8%下落した。トランプ氏が共和党の法人税案を批判したことも銀行株売りにつながった。

  S&P500種採用銘柄の昨年第4四半期決算は4.3%の増益が予想されている。通期の増益率予想は12%。
原題:Banks Lead U.S. Stock Declines as Dollar Weakens, VIX Jumps(抜粋)
Bank Stocks Tumble on Trump’s Comments After Post-Election Rally

◎米国債:上昇、利回りは年初来の最低-トランプ氏がドルに言及

  17日の米国債は上昇。日中高値から下げたものの、値上がりの大部分を維持。利回りは少なくとも12月以来の最低となった。トランプ次期米大統領はドルがすでに強過ぎるとの認識を表明、朝方の米国債を押し上げた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて2.32%。一時は11月30日以来の低水準となる2.3036%をつけた。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は7月以来で最大の下げとなった。この日はブルームバーグが調査する先進国25カ国市場の過半数で国債が上昇した。

  トランプ次期米大統領は米紙ウォールストリート・ジャーナルとのインタビューで、ドルは既に「強過ぎる」と述べた。

  5年債と30年債のイールドカーブは約111ポイントと、ここ約1週間で最高。

  朝方発表されたニューヨーク連銀製造業景況指数は1月は6.5に低下、市場予想(8.5)を下回った。今週は消費者物価指数(CPI)、鉱工業生産、住宅着工件数が発表される。

  ニューヨーク連銀のダドリー総裁は17日、ニューヨークでの小売業界関連の会議で、「インフレは全く問題になっていないことから、金融当局が近く景気拡大を終わらせるリスクは極めて低いと考えられる」と述べた。
原題:Treasury Yields Touch 2017 Lows on Trump’s Dollar View(抜粋)

◎NY金:上昇、英EU離脱やトランプ氏就任控え先行き激動との見方

  17日のニューヨーク金相場は上昇。金は今年に入って1営業日を除き連日上昇しており、投資家が波乱含みの1年間になると織り込みつつあることが示されている。メイ英首相は同国が欧州連合(EU)の単一市場から撤退し、代わって関税についての合意を目指す考えを表明した。トランプ次期米大統領の就任は3日後に迫っている。

  マレックス・スペクトロン・グループのアナリスト、デービッド・ゴベット氏(ロンドン在勤)は、「トランプ氏の就任が近づくにつれ、同氏の任期中は激動の時代となる可能性があり、金はそれによって恩恵を受けるかもしれないとの認識が広がりつつある」と指摘。「毎年、年明けには新しいマネーが行き先を探しており、その多くが金に行き着いたようだ」と述べた。

  ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後1時56分現在、金スポット相場は前営業日比0.9%高の1オンス=1214.09ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は1.4%上げて1オンス=1212.90ドルで終了。

  銀スポットは1.9%上昇の17.1307ドル。パラジウムは0.9%値上がり、プラチナは0.9%下げた。
原題:Brexit Plus Trump Have Sent Gold on a January Winning Streak(抜粋)

◎NY原油:上昇、サウジが市場均衡化を予想-ドル下落も要因

  17日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が上昇。サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が減産で市場が均衡化されるとの見方を示したことが買いを誘った。ドルが主要通貨に対して下げたことも支援材料。

  みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレクター、ボブ・ヨーガー氏は電話インタビューで、「国際エネルギー機関(IEA)事務局長とサウジのエネルギー相はいずれも上半期に石油市場が再均衡すると話している。これらの発言が相場を押し上げた」と指摘した。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は前営業日比11セント高い1バレル=52.48ドルで終了。16日はキング牧師生誕記念日の祝日に当たり、同日の取引は17日扱いとなる。

  一方、ロンドンICEの北海ブレント3月限は39セント(0.7%)下落の55.47ドルで終えた。石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国が合意した減産の実施状況に注目が集まった。
原題:Oil Rises as Saudi Arabia Sees Market Balancing, Dollar Falls(抜粋)
Brent Oil Falls as Investors Await Signs of Production Curbs(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、英首相が離脱交渉の方針表明で下げ幅縮小

  17日の欧州株式相場では、指標のストックス欧州600指数がほぼ変 わらずで引けた。午前中は下げていたものの、メイ英首相が欧州連合 (EU)からの離脱最終案を議会で採決にかけると表明した後、下げ幅 を大きく縮小した。
  ストックス欧州600指数は前日比0.2%安の362.45で終了。一時 は0.7%安となった。鉱業株や一般消費財関連が軟調で、指数はプラス 圏で引けるまでには至らなかった。メイ首相は欧州単一市場のメンバー シップ継続を排除しつつ、EU解体は望んでいないと発言した。

  英国株の指標であるFTSE100指数は1.5%安で、欧州主要株式指 数のうち下げが最も大きかった。売上高の大半を国外で稼ぐ英国の大企 業にとって、ポンド上昇が業績を圧迫するとの懸念が広がった。中型株 の指標で、国内売上高比率が比較的高いFTSE250指数は0.4%下落し た。

  サクソバンクのロンドン在勤トレーダー、ピエール・マーティン氏 はメイ首相の演説について、「全体的に欧州株とポンドを押し上げた が、FTSE100にとってはかなりの悪材料となった」と指摘した。
原題:Europe Stocks Little Changed as May to Put Brexit Deal to Vote(抜粋)

◎欧州債:上昇、ドイツ10年債利回りは0.3%

  17日の欧州債相場は上昇。ドイツ10年債利回りは0.3%となった。
原題:Dollar Drops on Trump Comments as May Boosts Pound: Markets Wrap(抜粋)

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