中国人民銀行(中央銀行)は預金準備率ではなく、中期貸出制度(MLF)を通じて信用フローを調節しつつある。

  中国の預金準備率は約1年にわたって変更されていない。人民銀は代わりに期間の短い貸し出し手段を用いて、預金準備率の0.5ポイント引き下げで供給される流動性の約6倍に相当する資金を提供してきた。人民元の下落圧力を強めて資本の逃避を一段と促す幅広い緩和を示唆することなく資金を供給できるのが強みだ。

  人民銀は先月、MLFの残高を過去最高の3兆4600億元(約57兆円)に増やした。エコノミストらの推定によると、昨年2月の0.5ポイントの預金準備率引き下げで銀行システムに供給された資金は6000億元。MLFは3カ月物から1年物まである。

  ただMLFには代償もあり、スタンダードチャータードの中国担当チーフエコノミスト、丁爽氏(香港在勤)によれば、MLFで調達した資金では長期的な計画を立てることができず、人民銀が新たに資金を供給するタイミングが分からなければ、流動性を確保しておく必要さえあるかもしれない。

  丁氏は、「金融機関は実体経済の貸し出しコストを押し上げ得る割高な流動性の供給源であるMLFよりも、預金準備率の引き下げを望んでいる」と指摘。人民元の下落圧力が弱まれば、人民銀は預金準備率の下げに傾くだろうと付け加えた。

原題:PBOC Adopts Mid-Term Credit Tool as Old Benchmark Fades Away (1)(抜粋)

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