17日の東京株式相場は続落し、日経平均株価は約1カ月ぶりに1万9000円を割り込んだ。メイ英首相、トランプ次期米大統領の発言に対する警戒感が強い上、為替市場で円高が進み、リスク回避の売りに押された。不動産や建設、証券、食料品、輸送用機器株など東証1部33業種は全て安い。

  TOPIXの終値は前日比21.54ポイント(1.4%)安の1509.10、日経平均株価は281円71銭(1.5%)安の1万8813円53銭。日経平均は昨年12月9日以来の1万9000円割れとなり、同8日以来の安値水準となった。

  アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之取締役は、「トランプ氏のネガティブ発言への警戒と予想された景気対策が出てこないとの不透明感から、利益確定売りが出ている」と指摘。英国の欧州連合(EU)離脱をめぐっても、「米国への不透明感があり、悪い解釈になりやすい」と話した。

東証内
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Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  国際通貨基金(IMF)は16日、トランプ氏の政策について、公約している財政刺激策による米国経済の押し上げ効果は小さいとの見方を示した。IMFはことしと来年の世界経済の成長率見通しを3.4%、3.6%と昨年10月時点の予想を据え置いた。

  また、関係者によると、メイ首相は17日の演説で、英国がEU単一市場からの撤退と関税同盟との関係見直しを見込んでいると明言する。首相府が公表した演説の抜粋によると、同首相はEUとの関係で部分的な加盟や準加盟国となることには関心がないと言う。16日の欧州株は、ストックス欧州600指数が0.8%安と反落した。

  この日の日本株は、買い材料に乏しい中で調整色を強めた前日の流れを引き継ぎ下落して開始。前引けにかけやや下げ渋ったものの、為替市場で円高基調が強まった午後の取引で下げ幅を拡大。日経平均は一時282円安の1万8812円まで売り込まれた。ソシエテ・ジェネラル証券の杉原龍馬株式営業部長は、「政治的な不透明材料が多い。トランプ氏の就任式を控えリアルマネーの投資家は動きにくく、流動性が低い中、短期筋を中心に先物主導で日本株は振れている」と言う。

  きょうのドル・円相場は一時1ドル=113円30銭台と昨年12月8日以来、約1カ月ぶりのドル安・円高水準に振れた。前日の日本株終了時点は114円2銭。アリアンツの寺尾氏は、「昨年11月からのラリーの要因となった『トランプ氏は現実主義者である』との認識が年明けからの発言で揺らいでいる」とし、これまでの修正相場の中で「為替ももう少し調整する可能性がある」とみる。

  東証1部33業種の下落率上位は不動産、建設、証券・商品先物取引、ガラス・土石製品、食料品、輸送用機器、精密機器、小売など。売買代金上位ではソフトバンクグループやみずほフィナンシャルグループ、ホンダ、野村ホールディングス、SMC、三井不動産が安く、昨年12月の受注高が前年同月に比べ減った大和ハウス工業も下げた。半面、任天堂や宇部興産、JFEホールディングスは高い。東証1部の売買高は17億1056万株、売買代金は2兆943億円。上昇銘柄数は149、下落は1799。

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