債券相場は上昇。英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる不透明感が強まっていることや週末にトランプ次期米大統領の就任式を控えてドル安・円高が進んだことで、債券買い圧力が強まった。この日実施された20年債入札結果が順調だったことも相場の支えとなった。

  17日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比2銭高の150円30銭で取引を開始。いったん150円25銭まで水準を切り下げる場面もあったが、午後は外国為替市場で円が一段高の展開になると、10銭高の150円38銭まで買われ、結局は同水準で高値引けとなった。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「今週はトランプ氏の就任式を控えてもともと手控えムードが強かったところに、英国のEU離脱に関する材料も加わり、様子見姿勢が強まった」と説明。トランプ氏の就任演説については、「財政支出の拡大や減税などの話は金利上昇圧力だが、保護貿易主義的な姿勢に対する警戒感も強く、リスク回避につながりかねない」とし、午後の取引でドル安・円高が進行していることで債券先物の戻りが促されていると指摘した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいの0.05%で推移している。

  メイ英首相の演説を17日に控え、15日付の英紙4紙がEUからの強硬離脱計画を説明すると報道。演説内容に詳しい関係者によると、同首相は英国がEU単一市場から撤退すると予想していることを明確にする見通し。

  米国では20日にトランプ新大統領の就任式が控えている。トランプ氏は11日の記者会見で「米国を離れ、好き勝手に振る舞う企業には多額の国境税が課されるだろう」と発言し、保護主義的姿勢をあらためて示した。
  
  この日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=113円台前半と、昨年12月8日以来の水準までドル安・円高が進んでいる。

20年入札は予想上回る

財務省
財務省
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  財務省がこの日に実施した20年利付国債の価格競争入札の結果によると、最低落札価格は100円10銭と、市場予想100円05銭を上回った。投資家需要の強弱を示す応札倍率は3.54倍と昨年8月以来の高水準となった。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は8銭と前回19銭から縮小した。

過去の20年債入札の結果はこちらをご覧ください。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は、「20年債入札はしっかりの結果だった」とし、「日銀のイールドカーブコントロール政策下で金利がそんなに上がらないとみられている中、キャリーロール効果の高い20年債は持ちやすいということではないか」と指摘。「ボラティリティの低さや0.60~0.65%が支えられている安心感もあるだろう」と付け加えた。

過去の20年債入札結果はこちらをご覧下さい。

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