16日の東京株式相場は反落。20日に控えるトランプ次期米大統領の就任会見に加え、英国の欧州連合(EU)からの強硬離脱リスクが懸念される中、為替の円高を嫌気する売りが広がった。鉄鋼や海運、鉱業、機械など景気敏感株中心に幅広い業種が安い。政府保有株の追加売却観測で、日本郵政も下げた。

  TOPIXの終値は前週末比14.25ポイント(0.9%)安の1530.64、日経平均株価は192円4銭(1%)安の1万9095円24銭。米国株市場の休場を控え海外投資家を中心に取引が細り、東証1部の売買代金はことし初めて2兆円を下回った。

  大和住銀投信投資顧問・株式運用部の小出修グループリーダーは、「トランプ氏の大統領就任以降の発言による金融市場の方向感を見極めたい」と指摘。「電子部品など自動車以外でも保護主義的な話が出てくれば、グローバルでサプライチェーンが混乱する恐れがあり、関連株も調整しかねない」と懸念を示した。

東証内
東証内
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  トランプ氏は独紙ビルトとのインタビューで、北大西洋条約機構(NATO)は時代遅れと指摘し、英国のEU離脱に他のEU加盟国も追随するだろうと予想した。このほか、独BMWが計画するメキシコ工場からの輸入車に高率関税を適用する、とも述べた。

  また、英紙サンデー・タイムズは15日、メイ英首相が移民流入抑制などのため、EU単一市場から撤退する計画を示すと報道。これを受け、為替市場では英ポンドが下落した。リスク回避の円買いが出やすい中、きょうの為替市場では円が強含みで推移。ドル・円は一時1ドル=113円台後半と、13日の日本株終値時点114円99銭からドル安・円高方向に振れた。

  フィリップ証券の庵原浩樹リサーチ部長は、トランプ氏は「保護主義政策のようなネガティブな発言が目立ってきている。不透明感があり、傷が深くなる前に手じまおうと利益確定売りが出やすい」と言う。さらに、英国のEU強硬離脱への懸念や原油下落もあり、「海外投資家のマインドはやや低下している」との見方も示した。

  週明けの日本株は反落して始まり、前引けにかけ徐々に下げ幅を広げると、午後に日経平均は一時226円安の1万9061円と昨年12月30日の大納会以来の安値を付けた。16日の米国株はキング牧師生誕の祝日休場のため、海外勢を中心に買いが入りにくい事情もあった。東証1部の売買高は14億6955万株、売買代金は1兆8873億円にとどまり、代金は前週末から16%減少。2兆円を割り込んだのは昨年の大納会以来だ。上昇銘柄数は323、下落は1601。

  東証1部33業種は鉄鋼、海運、鉱業、その他製品、石油・石炭製品、不動産、保険、非鉄金属など32業種が下落。上昇は空運の1業種。鉱業など資源株は、前週のニューヨーク原油先物が昨年11月以来の大幅安となったことが響いた。

  売買代金上位では任天堂やファーストリテイリング、新日鉄住金、SMCが売られ、UBS証券が投資判断を下げた小野薬品工業も安い。財務省が最大1.4兆円規模で追加売却すると日本経済新聞が16日午後に報じた日本郵政が午後に下げ幅を拡大、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の郵政グループも下げた。半面、野村証券が目標株価を上げたロームが買われ、さくらインターネットや大塚ホールディングス、リクルートホールディングス、メガネスーパーも高い。

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