債券市場では長期金利が小幅上昇した。20年利付国債の入札を翌日に控えて投資家需要に対する警戒感から売り圧力が掛かった。

  16日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.05%で寄り付き、その後も同水準で推移した。新発20年物の159回債利回りは0.5bp低い0.585%で開始した後、横ばいの0.59%に戻した。新発30年物53回債利回りは1bp高い0.74%となっている。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「20年債入札を前に同利回りが0.6%を割り込む水準では若干不安があり、積極的になりにくい」とし、やや弱い相場展開になっていると説明。「0.6%を超えてくれば押し目買い需要も期待され、無難な入札になる可能性もあるが、そこまで調整できるのかが一つのポイントになる」と付け加えた。

  長期国債先物市場で中心限月3月物は前週末比1銭安の150円26銭で取引を開始。いったん5銭高の150円32銭まで水準を切り上げたが、午後には150円24銭まで売られる場面も見られた。結局は1銭高の150円28銭で引けた。

  財務省は17日に20年利付国債、19日に5年利付国債の入札を実施する。前週の30年利付国債入札は最低落札価格が市場予想を下回る弱い結果となった。来週には40年債入札を控えている。

  米国では20日にトランプ新大統領の就任式が控えている。メリルリンチ日本証の大崎氏は、「怖いのはトランプ相場の反転」とし、「投機筋のショートポジションがかなりたまっている状況下で、何かのきっかけがあったら巻き戻しで債券が買われてしまうリスクがある」と指摘。「100%は実現できないという相場がいったん来る方が可能性としては高い」とみる。

日銀買い入れオペ

日本銀行本店
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Bloomberg

  日銀はこの日午前の金融調節で今月5回目となる長期国債買い入れオペを実施。応札倍率は残存期間「1年超3年以下」が2.73倍、「3年超5年以下」が4.06倍、「5年超10年以下」が4.15倍と、いずれも前回を上回った。

日銀国債買い入れオペの結果はこちらをご覧下さい。

  三菱UFJ国際投信の加藤章夫トレーディング部長は、5年超10年以下の応札倍率が高かったことについて、「一つはトランプ期待がある中で、期待インフレが上がる傾向にあり、現在日銀が長短金利操作で固定している長期金利の目標を引き上げるのではないかというのを先取りした動きの可能性がある」とし、「いったん保有を外す動きが出たことが考えられる」と分析。「この他では現状の株価や為替の水準をベースに考えた時に、10年債利回りはなかなか0%までいかないだろうということで、0から0.1%レンジの真ん中にある10年債を外す動きが出たことも考えられる」と言う。

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