1月3週(16ー20日)の日本株はもみ合いが予想される。トランプ次期米大統領の具体的な政策内容を見極めたいとの姿勢が強まり、上値を買う動きに乏しそうだ。ただし、景気や米国を中心とする企業決算への期待から下値は限られる。

  20日に共和党のドナルド・トランプ氏が第45代米国大統領に就任する。11日に初めて行った記者会見では、対中国や日本の貿易赤字を問題視する姿勢を見せ、インフラ投資など具体的な政策内容には触れなかった。財政出動に対する過度な期待が後退し、ことしの米利上げ回数についてこれまで予想されていた3回に届かないとの見方が市場の一部で出始めている。米長期金利の上昇やドル高トレンドの一巡感がより鮮明になれば、日本株にマイナスに作用しかねない。

オバマ大統領からトランプ大統領へ
オバマ大統領からトランプ大統領へ
Photographer: Pete Marovich/Bloomberg

  一方、米国では企業決算の発表が本格化する。17日にモルガン・スタンレー、18日にシティグループやゴールドマン・サックス・グループなど市場環境改善の効果が見込める大手金融機関が公表予定。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によると、米大手投資銀行5社の昨年10ー12月トレーディング収入は2009年以来で最高となったもようだ。企業収益の好転が確認されれば、米国株の堅調を通じて日本株にも好影響を及ぼす可能性は高い。

  このほか、米国で17日にニューヨーク連銀、19日にフィラデルフィア連銀の製造業関連統計が発表される。市場予想はニューヨーク連銀が前月の9から8、フィラデルフィア連銀は21.5から15への低下だが、市場の関心は政策の先行きに移っており、マイナス材料とはならない見込みだ。中国では、20日に昨年10ー12月期の国内総生産(GDP)や鉱工業生産などがあり、GDPは前年同期比6.7%増と7ー9月期と変わらずが予想されている。第2週の日経平均株価は週間で0.9%安の1万9287円28銭と反落した。

  • ≪市場関係者の見方≫

アセットマネジメントOneの荻原健チーフストラテジスト
  「トランプ氏に対する政策期待は一段落し、大統領就任式も新たな期待につながりそうにない。政策の具体化は2-3月ごろとあって、トランプ相場の流れが短期的には反転、日経平均は1万9000円を割れる可能性がある。ただ、マクロが上向きで業績のリビジョン・インデックスも上昇しており、大きく崩れることはない。企業マインドが上向きとあって、米決算では期待通りのガイダンスが出てくるとみられ、そうしたケースが増えれば株式市場も好感する」

りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャー
  「もみ合いだろう。トランプ氏から各業界に対するさまざまなコメントが出ており、日本の各産業に対しどのような影響が出るのか、関心は各論へと向かいつつある。米国第一の方針から、最終的には米産業を保護してくれるとの安心感が米国株市場にある半面、日本企業にはマイナス面だけが残る可能性もある。トランプ氏がいつ政策に関して発言するか分からず、漠然とした不安感は残る。大統領就任後は政策の方向感が徐々に出てくるとみられ、それまでは政策待ち」

SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
  「日経平均1万9000-1万9400円のレンジで小動きを予想している。トランプ氏の政策プランに関して、金融規制緩和や資源開発などはある程度織り込み済み。対中国・中東強硬姿勢の影響がどう出てくるのか確認したい。国内では主要輸出企業の業績予想の上方修正期待を織り込む余地がまだある。足元の米経済指標は良好、今後さらに財政が出てくるとなれば、マーケットが大きくリスクオフに傾くことは考えにくい」

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE