売りたたかれたポンドには、うれしい新年ではないと米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は言う。

  PIMCOは昨年、世界的な金融危機後で最大のポンド安で利益を上げた。政治的な不確実性や経常赤字を背景に、ポンド下落が2017年もかなり続くと見込んでいる。2016年6月の英国民投票で欧州連合(EU)離脱が決まってから、ポンドは対ドルで17%強下落し、同年10月には31年ぶりの安値を付けた。

  PIMCOのポートフォリオマネジャー、トーマス・クレッシン氏(ミュンヘン在勤)によると、ポンドは今、購買力平価を基準にすると約5%過小評価されているものの、依然として売る妙味はあるという。

  クレッシン氏は電話インタビューで、「ポンドは先進国で経常赤字が深刻な一国の通貨であり、まだ英国のEU離脱関連ニュースで打撃を受けやすい状態だ」と指摘。PIMCOは昨年ポンドを「アンダーウエート」としたことで「かなり稼いだ」と語った。

  ポンドは今週、1ポンド=1.2039ドルまで売り込まれた。英国が「ハード」なEU離脱に向かい、欧州単一市場へのアクセス断念という犠牲を払ってでも、移民流入抑制の権限を取り戻そうとする可能性もあると懸念されている。英政府はリスボン条約50条を発動してEU離脱の正式手続きに入る期限を3月末に設定している。

  HSBCホールディングスは、最も厳しい離脱の選択肢が追求された場合、ポンドは1.10ドルまで下落すると予想している。ブルームバーグの集計した予想中央値では、ポンドは17年半ばまでに0.7%下落し1.22ドルまで売られた後、年末までに1.25ドルに回復すると見込まれている。

  クレッシン氏によれば、PIMCOはユーロが過小評価されていると認識しているが、政治リスクの高まりを考慮しユーロでそうしたポジションを取っていない。域内の政治的不確実性は英国のEU離脱プロセスに限られたものではなく、市場は4月のフランス大統領選にも注目し始めているという。

原題:Pimco Bets Pound Plunge Is Far From Over as Brexit Clouds Gather(抜粋)

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