13日の東京株式相場は反発。セブン&アイ・ホールディングスが急伸するなど好決算が評価された小売株が上げ、情報・通信や電力、パルプ・紙株など相対的に内需セクターが買われた。為替市場での急激な円高一服が安心感につながり、精密機器やゴム製品など輸出株の一角も堅調。

  TOPIXの終値は前日比9.48ポイント(0.6%)高の1544.89、日経平均株価は152円58銭(0.8%)高の1万9287円28銭。

  明治安田アセットマネジメントの杉山修司チーフストラテジストは、「日本株の買い圧力は想定以上に強い。日本銀行が1月末の金融政策決定会合で、長期金利のゼロ%誘導目標を解除する可能性を織り込み始めたのかもしれない」と言う。日銀が動けば、為替のドル安・円高要因になり得るが、「日本の景気の良さを投資家に印象づけるため、企業業績の改善期待が一段高まる」との見方も示した。

東証外観
東証外観
Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  業種別上昇率とTOPIXへの寄与度トップで、相場全体を終日けん引したのが小売セクターだ。7&iHDが12日に発表した2016年3-11月期の営業利益は5%増。ゴールドマン・サックス証券では、「想定以上の決算。新経営陣の下、順調なスタート」と評価した。ファーストリテイリングの9-11月期(第1四半期)の営業利益も、前年同期比17%増の886億円と市場予想の870億円を上回った。

  また、ドル・円相場は正午にかけ1ドル=115円10銭台と、12日の日本株終値時点114円41銭からドル高・円安方向に振れた。同日の海外時間帯には113円70銭台と昨年12月8日以来のドル安・円高水準を付けていただけに、急速な円高一服は投資家心理にプラスの影響をもたらした。

  前日の米国株が下げ渋った影響もあり、見直し買いの動きからこの日の日本株は徐々に堅調さを増し、日経平均は午後に一時164円高の1万9299円まであった。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「11日のトランプ次期米大統領の会見は保護主義的な発言だけが切り取られ、利益確定売りの口実に使われた側面が強い。米国債売り・ドル買いの『トランプトレード』のアンワインドはいったん一巡した」と指摘。一方で、これまでの「上昇ピッチが速くて買えなかった投資家の買いが入った」とみていた。

  この日の取引開始時は株価指数オプション1月限の特別清算値(SQ)算出で、ブルームバーグ・データの試算によると、日経平均型で1万9182円28銭。12日終値を47円58銭上回った。株式需給面での不透明材料を通過したことも、株価の堅調な動きにつながった。東証1部売買高は16億20万株、売買代金は2兆2566億円。SQ日だったが、代金は前日より5%減った。上昇銘柄数は1211、下落は613。

  東証1部33業種は小売やパルプ・紙、電気・ガス、精密機器、石油・石炭製品、ゴム製品、通信など30業種が上昇。その他製品や非鉄金属、鉄鋼の3業種のみ下落。売買代金上位ではKDDIやアスカネット、JR東海、長谷工コーポレーション、ディップが高い。発表した新ゲーム機「スイッチ」の価格は想定通りとみられた任天堂は、午後の取引で下げ幅を拡大。大株主の米投資会社が一部保有株を売却した西武ホールディングス、ニッケル需給の悪化が懸念された住友金属鉱山、台湾半導体大手の設備投資横ばい計画が嫌気されたSCREENホールディングスも安い。

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